第2話 ヤバ×2すぎる!

 ——馬車で移動すること約1時間。


 私たちはスキダゼ・デカ・オパパーイ王子の待つ、王城へと到着した。


 10年前に王城を見た時は、ヤバすぎる大きさだと、ただただ見上げるばかりだった。今では背も高くなったので首の角度が少しだけ下がったことに、私もヤバすぎる成長を遂げていることを実感した。


「お待ちしておりましたよ、ヤバスギール公爵家のリーゼロッテ様。どうぞ、こちらへ」


 王城の入り口の前で待っていた、白髪で執事のジジイに一礼され声を掛けられる。


 この執事はびっくり仰天! ……鼻の穴付近から伸びた髭は驚く程に太く、更にはナガスギールので地面に付くというヤバすぎるジジイだった。


 ……いや、よく見ると髭ではなく『鼻毛』だった!


(……鼻毛がこんなに伸びるなんて、ヤバすぎるわね。仮名でハナーゲ爺と呼ぶことにしようかしら)


 私はそう心の中で思いながら、ハナーゲ爺の案内に従い、城内へと足を踏み入れた。



 ***



 婚約式が行われる予定の大広間には、すでにヤバすぎる数の貴族や上流階級のお偉方が集まり、にこやかな雰囲気で会話を楽しんでいた。


 立食形式のようで、テーブルがいくつも並んでおり、周囲には美味しそうな焼き立てのパンの匂いや、ヤバすぎるお肉の香りが漂っていた。


(……さて、行こうかしらね)


 私がお胸を強調しながら部屋へ入室すると、それまで会話をしていた者は皆一斉に口を閉じ、全ての視線は私のヤバすぎるVカップのお胸へと注がれていた。


「あ、あれはヤバスギール公爵令嬢?! なんて立派なものを。ヤバすぎますな!」

「あのヤバすぎる、たわわなお胸に一度でも挟まれてみたいですなあ」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」

「むほぉぉ……むほほぉぉぉぉ!!!」



 周囲の男性からは、ヤバすぎる声がたくさん上がり、一気に視線は私のヤバすぎるお胸の方へと注がれた。


(きゃはは! 大成功ね! 後はオパパーイ王子にこの圧巻のVカップのお胸を見せつければ……。オパパーイ王子はどこかしら?)


 するとタイミングを図ったかのように、背後から大きな声が聞こえてきた。


「リーゼロッテ嬢! ついにこの日が来ましたね!」


 何となく聞き覚えのある声に振り向くと、そこには彼がいた。


 ヤバすぎるほどのサラサラな金髪。

 ヤバすぎるほど綺麗に整った顔。

 ヤバすぎるほどすらっと長い手足。

 そして床に付くほどに長すぎるヤバすぎ鼻毛。


 彼こそが——スキダゼ・デカ・オパパーイ王子だった。


 オパパーイ王子は私の胸にチラリと目をやると、鼻の下を伸ばし、口元が緩んでニヤニヤと下心丸出しの状態を見せた。


(ヤバすぎる表情ね……。触られるとさすがにパッドってバレちゃうかしら。何とかこの見た目で落とさなきゃダメよ)


 内心色々と策略は練っていたが、私のパッドパワーでビルドアップしたお胸はVカップ。もはや勝利を確信していた。


 しかし、オパパーイ王子の反応は、私の予想だにしないヤバすぎるものだった。


「チッ! チッ! ……確かにチミのお胸は素晴らしい。でもね、この娘の方がボクに相応しいんだ!」


 オパパーイ王子はそう話すと、後ろに隠れていた女性の腕を引っ張り腕に抱き寄せると、その女性のお胸を触り始めた。——ヤバすぎる!


 その女性は私も見たことがあった。

 ……緑色のもじゃもじゃしたパンチパーマな髪の毛は、さながら名物野菜のブロックリーのように見える。ドレスから突き出た二の腕は、ぶるんぶるんに揺れ動き、太ももはだるんだるんに波打っていた。


 この特徴すぎる彼女は——メロリーナ・バリ・デカパパーイ辺境伯令嬢だ。


「ガハッ! ガハッガハハハハハハハハハッ。これぞ圧巻のWカップ。最高のハリと弾力、そして揉み応え。だからリーゼロッテ嬢、君のチンケなVカップはいらんのだ。当然婚約も破棄させてもらおう!」


 オパパーイ王子は床に付いた鼻毛を持ち上げ、四回転させながら、私に向けて婚約破棄を告げてきた。


 メロリーナ辺境伯令嬢も勝ち誇ったかのように、バインバインのお胸を両手で自ら揺らしながら、ヤバすぎる大きさをアピールしてきた。


「バイン〜バイン〜バインバイン〜」


 ……滑稽な効果音を自ら口にしながら。——ヤバすぎる!


(む、むかぁぁ!! だったら宣戦布告ですわ!)


 私はオパパーイ王子とメロリーナ辺境伯令嬢に向けて、ハッキリと宣戦布告することにした。


「五日時間を頂きたいですわ。 その代わり私はその五日間で、伝説のお胸……

ドリーム・レインボー・オパイボイーン七色に光り輝く奇跡の超惑星級お胸』に到達してみますわ!」



——こうして、私の奇跡を起こす、ヤバすぎる五日間が始まるのだった。







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ヤバすぎる貧乳令嬢の巨乳化計画〜婚約破棄されてヤバすぎるのでヤバすぎる方法でヤバすぎる巨乳になってみせます〜 月夜美かぐや @kaguya00tukuyomi

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