オタクの我が、家出ロリっ娘と深夜の公園で会話する。ただ、それだけのお話。

俺氏の友氏は蘇我氏のたかしのお菓子好き

オタクの我が、家出ロリっ娘と深夜の公園で会話する。ただ、それだけのお話。

ん、あれは…………。


通いなれた公園で、我は見慣れない女の子を見つけた。


「デュフフフフッフ、お、おおお、お嬢ちゃん、グフフ!!」


こんな夜中に小さな女の子が一人で公園にいるなんて……。


気になってしまった我は、普段どおりの口調で、なるべく相手を怖がらせないように話しかける。


話しかけられた女の子はビックゥと体を震わせて、大きく飛び退いた。


「あぁぁ、わ、我はそんな怪しいなんて、グッホォ、そんなものではないでござるぅぅぅ!!」


このおじさん誰と警戒と恐怖を視線を見せるロリっ子……………女の子に我は言う。


確かに社会不適合者ではあるが、悪い人では…………ないと自分では思っている。


「わわわ、われはただ、ききき君とにゃ、にゃかよくしたいだけでござるぅ!! お、お嬢ちゃん、見た感じままままま迷子でござるかぁ!?」


我は女の子にこれ以上警戒されないために、一定の距離を取ったまま話しかけた。


なるべく優しく、テンションは高めに……。


女の子はまだ完全には警戒を解かないけど、小さく頷いてくれた。


「そそそ、そうなんでござるねぇ!! ならばば、わわわ我がたたた助けにまいるでござるぅ、デュフフフ!!」


我は女の子纏う雰囲気からなにか訳ありなのを悟って、そう言った。


まずは相手の味方だとアピールしないことには、話すらしてもらえないから。


女の子はシャッキーンとライダーポーズを取る我をゴミ以下を見る目で見る。


「にゃっはぁぁああっん、そそそそそそんな蔑んだ目で見ないでほしいでござるぅ…!! 我にゃいちゃうでござるぅぅぅううううう……!」


我のメンタルは豆腐以下。

世界の遺産であるロリっ子…………幼い女の子にそんな目を向けられたら、すぐ泣いちゃうんだよ……。


我は本当に潤んできた瞳を隠すため、下を向いた。


すると、なんと…………


「ななななな、ろろろろロリっ子が、わわわ我の頭をよしよししてるぅぅううう!!!」


女の子は我の頭を撫でてくれるじゃないか!!!

その小さな温かい手が我の少しハゲ気味な頭を行ったり来たり……。


「うぉぉぉぉおおおおお!!! よしよしよしよしよしよしぃぃぃぃいっうう!!! ごごごごごごござるるるぅぅうううううう!!!!」


我は思わずそんな雄叫びを上げてしまった。


涙? そんなもの飛んでいったわ!!

だって、ロリっ子………女の子が割れの頭を撫でてくれているんだよ!!!?


これに興奮せずに、何に興奮するというのだ!?


「ぬほほほほほほほ!! 我がんばるでござりゅぅ!!!! おおお、お嬢ちゃんのお名前は、ななななんていうでござる!!!?」


拳を突き上げて元気満タンに叫んだ我は、驚く女の子を見つめて言った。


女の子は我から目をそらし、小さな声で名前を言った。


「ぬっぽぉぉおおお!! そうでござるぁかぁ!! 〇〇ちゃんでござりゅぅ!!! いい名前でござるね!!!」


我はその子の名前を叫んで、ぴょんぴょんはねた。


デブのジャンプは、世界を動かす力があるのだよぉ!!(物理


「ででで、では、親御さんはいらっしゃるでござるぅ!!!?」


我はハイテンションを保ったまま〇〇ちゃんに尋ねる。


〇〇ちゃんも落ち着いてきたのか、普通の声で答えてくれる。


「ぬっっほほおおおお、そうでござるねぃ!!

いないでござるねぇ、うぬぽぽぽぽ!!!」


我は予想通りの答えに内心戸惑っていた。

親がいない。そしてこの深夜に一人で公園………。


やっぱり何か事情あり………か……。


「ででで、ではお家は、でゅ、でゅふふふふ、っどどどどこでござるか!!?」


そんな不安を胸にしまい込んで、我は次なる質問投げた。


女の子は公園の端に座りなおして、答える。


「ななななななんにいぃぃぃいいい!!!!! わからないでござるかぁ!!! それは大変でござるぅ!!! ななななならば我が、さささ探すでござるぅううう!!!」


我は家すらわからないというその絶望的な情報のなさに、内心冷や汗をかき始めた。


「どどどど、どのへんでござるか!!!? ききき北か南か、暑いか寒いか教えてほしいでござるぅ!!」


とりあえず方角を知ろうとそう言った後に、こんな小さな子には方角はわからないと気がつく。


はは、我、やっぱり緊張している……。


「ぬっっっぽぉぉぉでゅふふふ!! そうでござる!! 気候は関係ないでござりゅうぅう!! しししし、失敬失敬ぃぃいい!!」


我は頭をかきながら頭を下げた。


これからのことを我が考えているうちに、女の子がぼそっととあることを呟いた。


「なぬぅぅう!!? 帰りたくないでござるかぁ!!!?」


我はとうとうヤバくなってきたと思いつつ、確認のため聞き返す。


女の子はぷらぷらと足を動かして、目線を落としながら大きく頷いた。


「なななななんででござるぅう!!? 我は家から出たくないというのにぬっぽぉおおお!!?」


我は今も家にいるであろう母上を思い浮かべながら叫ぶ。


そんな我を見て、〇〇ちゃんはボソッと小さな声でつぶやいた。


「にゃにゃにゃにゃぅうう!!!? ご両親にいじめられているぅウウウウ!!!? でゅでゅでゅでゅふふふぅ!!?」


我は思わず声を上げてしまった。

やっぱり、そういう感じか…………。


女の子は我の声が大きすぎたのか、しーっと唇にその細い指を添えて言う。


「ああああ、失敬失敬、でゅっほぉ!! 声がおっきかったでござるねぇ!!! すまぬすまぬ………!」


我は反省に頭を下げて、小さめに言った。


「……何故ゆえでござるか!!? 我は母上と離れたくないというのにぃぃいい!!!」


我は母上の笑った顔を思い浮かべながら叫ぶ。


その光景を楽しそうに見た〇〇ちゃんが、またボソリと呟く。


「そそそ、そうでござるか……ずっと暴力や暴言でござるか………。あおお、お嬢ちゃんはどうしたいでござるぅ!!? 帰りたいでござるかぁぁ、それともでゅでゅでゅふ、帰りたくないでござるかぁ!!?」


我は落ちたテンションをもう一度上げて、〇〇ちゃんに尋ねた。


〇〇ちゃんはうつむいたまま、コクリと頷く。


「ちゅちゅちゅつまりぃ!! お嬢ちゃんは、家出でござるねぇ!!?」


我は伸ばすのも嫌なので、スパッと結論を言ってしまった。


それを聞いた〇〇ちゃんは体を震わせたあとに、しーっと人差し指でアピールをする。


「あぁぁぁあこれまた声が大きかったでござるぅ!! 失礼失礼でぃでゅでゅふふ!! おおおお嬢ちゃんは、このあとどうしたいでござるぅ!!?」


我は頭を下げながらも、次なる質問をする。

今後のことが一番大切だからね……。


〇〇ちゃんはパッと顔を上げて、一言。


「そそそ、そうでござるかぁ……ご両親がそんなに憎いでござるかぁ………。」


その短文に込められた激しい憎悪を感じて、我も下を向いてしまった。


静寂が公園を満たしたその時、クイッと我の複が引っ張られた。


我はなんだろうと顔を上げる。


そこには、長袖ワンピースの袖をまくりあげた〇〇ちゃんがいた。


「っ!!! そそそそれはぁぁ!!!!!? ぎゃぎゃぎゃぎゃや虐待のあとでござるかぁ……痛々しいでござるねぇ………。〇〇ちゃんの艶肌にこんな痕が…………でゅるるるぅぅ…これは失礼。わわわわ、我少し妄想が、はははははかどりすぎだでござるぅぅぅ!! よだれを垂らしてしまい、申し訳なさすぎでゴザりゅうぅウウウウウウ!!」


我はわざとテンションを上げて、内心の乱れをごまかした。


ここまでひどいと……………。


「でででででは、相談所にいいいい行くでござるかぁ!!!?」


我は一旦、当たり障りのないそんな質問をしてみる。


女の子は空を見上げて、ふるふると首を横に振った。


「にゃにゃにゃ、行きたくないでござるぅうう!!? どっどどどどうしてでござるぅうう!!?」


女の子は、じーっと空を見つめたままつぶやく。


「ななななるほど………すでに行ったけど結局は親元にかえされるわけでござるねぇ………。ここここ公安……………おっと失礼。こっちでは警察でござったぁぁ、にゅふふふふ!!」


我は相談所がだめなら警察と立て続けに尋ねるが、それも女の子のつぶやきに否定された。


「警察にはいっったでござりゅう!!!? なななななな!!! 行ったのに門前払いでござrぅううううう!!? わわわわ我だったら即拉致……………じゃなくて、崇め奉るというのにぃいいいい!!!! なんということ!!! それが本当に市民の血税で動く国家公務員なのでござるかぁぁぁああああああ!!!!? ぐぅぅうううううぎゃがぁああああああ!!!」


ムッキィと我は立ち上がって叫ぶ。


太陽にほえろならぬ、月に叫べ。

映画が公開されたら、大ヒット間違いなしだな。


「すすすすまぬでござる、わわ我少し興奮しすぎたでござりゅ……でゅっふふふふ!! いいいく場所がもうないから、深夜にこんな公園で一人ブランコを漕いてたでござるねぇ!!!」


我を見て再び警戒を高める〇〇ちゃんに言った。

ガクンと頭を下げてうつむいた〇〇ちゃんは、なんと泣き始めてしまう。


「にゅっほぉ!! あぁぁぁぁ!!! 泣かないでほしいでござるううう!! わわ我も泣きたくなるでござりゅゆぅぅうう!! うわぁぁあああああん!!!! ママぁあああ!!!!!!」


深夜の公園には、我と〇〇ちゃんの泣き声が響き渡った。




 ◇ ◇ ◇




「…………落ち着いたでござる!!!? わわわ我のほうが泣いてしまって、申し訳ないでござる…………。」


我はTシャツの裾で涙を拭いながら〇〇ちゃんに頭を下げた。


そんな情けない我を見て〇〇ちゃんが、とても落ち着いた声でつぶやく。


「ななななんと!!? 戻ることにしたでござるか!!!!? げげげ、元気が出たでござりゅうう!!? そそそそれは嬉しいでござるが、戻ったらまた怒られてしまうのではぁ!!!?」


我は突然の展開に驚きながらも、〇〇ちゃんの心配が先に出てそんなことを言う。


〇〇ちゃんは我を見つめて、ニッコリと笑った。


「なななにぃいいいい!!? それでもいいでござるぅううううう!? それは真でござるかぁぁあああ!!!!?」


我はそれが信じられずに、そう聞き返す。

〇〇ちゃんはとても穏やかに、我を見つめてつぶやいた。


「決心がついたでござるか………承知したでござる………………。心配でござるが、〇〇殿が言うならば仕方ないでござるぅううう!!! 困るったことがあればぁあ!! わわわ、我に相談しにきても良いでござるよぉぉおおお!!!! わわわ、我はダイエットのために、毎日この時間にこの公園にいるでござるからぁあああ!!!」


我はいろんなマイナスな言葉をグッと飲み込んで、そんな前向きな言葉だけを叫んだ。


我が突き上げた右手を、ぷにっと〇〇ちゃんが握る。


「にゃにゃにゃにゃあああああああ!!!!?ろろろろろっろロリっ子が我の腕をにぎってるぅう!!!? ぷにぷにの生まれてまだ一桁の柔肌が、我のカサカサ、サハラ拳を包みこんでいるぅうううう!!!! 感激でござるぅぅうううう!!! にゅっぽぉぉぉおおおお!!! 死っししししし死ぬぅ!!!!!」


我はその柔らかさと温もりのコントラストに耐えきれず、人生最高の声で叫びまくる。


それに笑いながら、『うるさいよ』と言った〇〇ちゃんが、不意に立ち上がって我に手を振った。


「さささ、さようならでござる…………。寂しいしまだまだ心配でござるが、我は〇〇殿のことを待っているし、ずっと応援しているでござるぅううううう!!!!」


我もできる限り広角を上げて、ブンブンと音がなるくらい腕を振り返す。


「ばいばいでござるぅぅぅぅ!!!!!我ら心のベストフレンド、愛でつながった仲でござるぅうぅぅぅうううう!!!!!」


我は〇〇ちゃんが見えなくなるまで、叫んで手を振り続けた。


「…………ふぅ、疲れたでござる…。」


虫の音だけが聴こえる公園のブランコに座って、我は呟く。


「〇〇ちゃんが頑張るのなら、我も頑張らないとでござる……。ちゃんと、母上の言うことを聞いて、資格を取る勉強頑張ろうでござる……。」


パチンと肉のたるむ自分の頬を叩いた我は、ポケットからスマホを取り出してSNSのアプリを開く。


「………………あの子のこと、相談して見るでござるか……。」


そう呟いた我は、そこに表示された一人のアドレスに指を伸ばした。





 ◇ ◇ ◇





「ぐっほ!!! わわわ我の番号あったでござる!!!!!! ぢゅっほぉおおおおお!!! ごごご合格でござるぅうううう!!! ははは母上にすぐ報告でござるぅうう!!!!」


我は手に持った薄い紙を握りつぶして、ピョンピョン跳ねながら叫ぶ。


「こここ、これでわわわ我も裁判官でござるぅうううううううううううう!!!!!!!」


たくさん人がいる合格発表の場から少し離れた我は、再び叫んだ。


「…………〇〇ちゃんは元気でござるかあ……。」


我はポケットから一枚の写真を取り出して、呟く。


「もうしばらく会ってないでござるぅううう!!! もうすっかり大きくなって………ってそんなには経ってないでござるね…。」


我はうるみ始めた目を擦る。


「ぐっっほぉぉにゅぐぐぐぐ!!!! あの時友達の弁護士の△△殿に連絡してよかったでござるぅううううう!!!」


過去の我!!!! ベリーナイスっ!!!!


「ままま、まさか無職の我が保証人になるなんて予想外でござったが、にゅっぽぉおお!! それ以外は上手く行ってよかったでござる……。」


とうとう誤魔化せないくらいに湿ってきた目をゴシゴシと強く擦って、我は笑う。


「ぐっほ………いいいいいけませんな………。幸せなのに、ああああああ、雨が降ってきたでごる……にゅっぽっぽ…」


気持ち良いほどに晴れ渡った空を見上げて、我はこれまでの道のりを回想した。


「…………はは、早く帰って、母上と〇〇ちゃんにこの幸せを分けてあげないとでござるうぅぅぅぅぅぅぅ!!!」


拳を真上に振り上げた我は、そんな希望に満ちた咆哮をする。


「さぁ!!!!!走るでござるよぉおおおおおお!!!!!!!!!!!!!」


我は元気良く、走り始めた―――――









―――――Fin―――――

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