第23話 最難関問題4

作業が終わったら普通に帰ろうとしている先輩に私は声をかけました。


「先輩。もう帰るんですか?」

「ポストだ」

「じゃ私も行きます」

「ポスト行くだけだが…」

「ポストに行くデートですね」

「マジでおまえの頭もなかなかだよな。ネジが10本くらい足りない気がしてきた」

「先輩はそもそもネジないですよね」

「こいつ…。やっぱりおかしい奴だ」


と、また失礼なことを先輩に言われたましたが。


私たちはまた水曜日の時みたいに2人で下駄箱へ移動して。そして今日はポストにレッツゴーです。


郵便局より近いところにポストがあるということでそちらに向かい今歩いています。


そして歩きながら…。


「じゃ、このあとは本屋ですね」

「なんで付いてくるみたいな感じなんだよ」

「付いていきますよ?」

「いやいやなんでたよ」

「先輩観察ですね」

「マジストーカーだわ」

「パズル馬鹿の先輩が本屋さんに迷惑かけたらですからね。監視です」

「いやいや、あのな」


とか、まあ楽しく話しながら移動です。


ちなみに急に本屋が出てきたのは先輩に「ポストに行った後はどうするんですか?」と、聞いたらまだ時間が早いからパズル雑誌の確認に行くとか言ったからですね。


先輩もあれですね。実は私と行動したいから後の予定普通に話してくれたんですかねー。言わなければ普通にさよならするところでしたよ。


ってことでポストに投函のあとの予定が決まりました。


そして話していたらポストに到着して…。先輩が持っていた封筒を全てポストインです。大量にポストの中に郵便ほりこんでいました。あとは郵便屋さんお願いしますですね。


まあこれで1つ片付きましたね。


そして先ほど会話にあったように先輩はこれから本屋に行くみたいなので…。私ももちろんこのまま付いていくことにしました。


先輩は付いてきて欲しくないみたいですがねー。私は勝手に付いて行きます。


「マジで付いてくるよ」

「私ストーカーですからね」

「認めた」

「先輩が何度も言うからですね」

「っか、なんでホント付いてくるんだよ。することないのかよ」

「先輩が面白そうなことをしているから付いて行かないとでしょ」

「本屋行くだけなんだが…。どこに面白い要素あった?」


とかまあいろいろ話しつつ。


そしてしばらく歩くと…。まあ普通の規模の本屋さんにやってきました。私も何回かは来たことありますね。


大型書店ではありませんから。あまり本の種類は多くないかも。って感じですが。この辺りにあるお店からみたら大きなお店になりますね。


そして先輩はもちろんパズルコーナーだけ見に来た。って感じですね。

入り口から直行でした。

他は全く見向きもしていませんでしたね。私はせっかく来たのでちょっとコミックとか。小説も見たいんですが…。まあ今は先輩に付いていきましょう。


先輩はお店に入ったら迷うことなく一直線に目的の場所に進んでいき…。

はい。パズル雑誌販売のところへと来ました。ホントパズル好きすぎでしょ。ってか、たまには周りも見ましょうよ。


まあ、何を言っても…。だと思ったので…。


「へー。パズルってめっちゃ種類ありますね」

「なんやかんやで需要はあるんだろうな」

「ですよね。1列全部パズルですか…。って、先輩これだけ種類があったら発売待たなくてもどんどんできるんじゃないですか?」

「いや、漢字やらがわからんとできないのもあるし。ロジックとかでも会社によってイラストの綺麗さが違うからな。それにプレゼントも重要だ」

「…。なんか先輩がめっちゃ話します。ってプレゼントもそんなにちがいますか?」

「ああ、一部の問題にしかプレゼントがないのもあるしな。どうせなら全問プレゼントありがいい」

「へー。で、今日はなんの偵察で?」

「いや、マジで次発売までなんもないからなんかないかと」

「じゃ暇な間は私と放課後デートでもいいですよ?」

「あー、まちがいさがしか…。ここのはな。簡単だがまあたまにはありか。ってかたまにはミニサイズのもありか」

「ちょっと!なんでスルーなんですか!」

「何がだ?」

「もういいですよ!ってかやっぱりだめです。触れましょうよ。美少女ちゃんがお相手してあげるって言ってるんですよ?」

「はいはい。いってらっしゃい。感想くらいはそのうち聞いてやるから」

「…。この先輩蹴飛ばしていいですね」

「なんで蹴られないとなんだよ」

「パズルパズルパズルパズルパズルパズルパズルパズルしか先輩は言わないので目を覚ましてあげようかと」

「意味わからんわ。っか本屋で暴れようとするな」

「大丈夫です。近日中に忘れた頃にやりますから」

「マジで意味わからん奴だな」

「ってか先輩。すぐ終わるなら難問とか書いてあるのすればいいじゃないんですか?」


と、私は棚にある本の中で難問や激ムズと書かれているまちがいさがしの本を指差すと。


「あれやった」

「…。マジですか」

「っかあれかなり前に発売したな。だからおまえが来る前にやったやつの1つ」

「…」

「なんだよ」

「マジでパズルばっかやってるんだなー。と。って、じゃクロスワードやらやら書いてあるのもですか?」

「いや、やらないジャンルはやらない」

「謎な先輩…。ってかやるパズルがないならやったことないパズルやればいいじゃないですか?」

「嫌いなやつしても楽しくないからな」

「めんどくさい人。あ!」

「…。なんだようるさい奴だな」

「先輩。私いい問題知ってますよ」

「…。えっと、なんかマジでないかなー。謎解きは…。だなぁー。でも暇つぶしにはなるか」

「さらっと無視しないでくださいよ!」

「いや、ロクでもないことだろうと」

「ひどいですねー。って、かなりの難問ですよ。でも漢字嫌いな先輩でもできる問題ですよ?」

「なんだそれ?そんなパズルあったか?」

「ありますね。プレゼントもちゃんとついてますよ?」

「どれだよ」


先輩が本棚をキョロキョロと見ています。がそこにはないですよ。


「まあ帰り道でお話しましょう」

「はっ?なんで帰り道?」

「まあまあ帰り道で話しますから」

「…。本じゃないのかよ」

「ふふふー。まあプレゼント付きの問題ですよ。私が考えました」

「はぁ…。お前が考えたのかよ」

「です。でもとっても難しいと思いますよ?まあ本屋を出たらですね」


それから先輩は私が言っていた事を…。気にしていたのかは知りませんが。少ししたらまた棚のパズル雑誌チェックに戻りましたからね。でも結局先輩は新しい本が発見できなかったということで本屋を私たちはあとにしました。


「じゃ、先輩私の考えた問題解きたいですよね?

「いや」

「あー、気になりますか?さすがパズル好きですね」

「なんも俺言ってないんだが…」

「はいはい。って事で先輩。超難しい問題解きたいですか?」

「…。はぁ…まあ微妙」

「なんでですかー!いつも馬鹿みたいに問題解いてますよね!?って、興味有りげだったじゃないですか!」

「いや、嫌な予感しかしないし」

「へー、なるほどなるほど。先輩苦手な問題は全部避けるんですねー。なるほどー。せっかく良いプレゼントもあるのに」

「っかプレゼント言ってもお前が考えた問題言ってたじゃないか。そんなにプレゼントとかないだろ?」

「ありますよー。ってか私が出す問題を解かないということはわからなかったという事ですね。ってことはこの時点で私が勝ちですね!」

「勝ちってなぁ」

「私が勝ったので先輩。私の言いなりになってください」

「嫌だよ。っかなんだよいきなり」

「なら、私からの問題解きますか?超難問を」

「…。答えがない。とがじゃないよな?」

「いやだなぁー。ちゃんとありますよ。答えがない問題とか出しませんよ」

「なら、言ってみろよ。お前が出す問題くらいすぐに答えてやるから」

「えー、できるんですか?超難問ですよ?」

「おまえがアホな問題出さなかったらな。世界の国名全部言えとか」

「なんですかそれ。って、もっとシンプルですよ?答えは1つですし。まあマジで超難しいと思いますが。先輩の暇つぶし程度にはなると思いますよ?」

「なら早く問題言えよ」

「あー、いいんですね?始めちゃいますよ?もう戻れませんよ?」

「…。さて帰るか」

「はいはい先輩。言いますよー、言いますから。ちゃんと聞かないと先輩の負けですよ」

「なかなか面倒な奴。で、問題は?」


ちょうど私たちは分かれ道のところにこの時来ました。

左が私の帰る道。右が先輩の帰る道のところですナイスタイミングですね。


「では、問題です。朝熊先輩。私の名前をフルネームでお答えください」

「…」


おー。先輩がフリーズしました。


「どうしましたか?先輩。思ったより簡単な問題で固まっちゃいましたか?気が抜けましたか?ニヤニヤー」

「…」


うわー、先輩めっちゃ考えてますね。さてさて、どうなるかですね。


「あっ、先輩。解答権は1回ですからね。間違った場合先輩の負けです。答えられたらー、そうですねー、プレゼントありなので…。なんでも先輩の言うことを私が聞いてあげますよ。プレゼント内容も大切なんですよね?これくらいでどうですか?あー、でも、先輩が答えれたら。私の身体の危機ですねー。まあもし答えられても先輩を信じましょう。ってことで…」

「…」


うん。先輩めっちゃ焦ってる?うん。悩んでますね。顔が必死です。めっちゃ必死です。


「まあ…。まだ答えれそうにはないですねー。私は優しいですから。月曜日の放課後まで待ってあげますよ。わー。私優しい。身体の危機かもだけど優しいですよ」

「思い出してるからちょっと黙れ。うるさい」

「えー、まあ、思い出せるなら待ちますけどー。って先輩そんなに必死ってことは人前では言えないお願いを私に言う気ですか?うわー。実はド変態でしたか」

「だから黙れ。過去を思い出せないだろうが」

「…。出ないと思いますけどね」


うわー、先輩マジで悩んでますね。


って、思い出す以前に私先輩に名前言ってないんですよね。まあ噂やらやらで先輩に伝わっている可能性はありましたが…。


まあ先輩が知っていたら今頃私声あげてましたよ「なんで知ってるんですか!」ってね。


でも、基本先輩おまえとかしか言いませんでしたから…。多分知らないだろうなー。だったんですが…。って、マジでめっちゃ考えてますよ。そんなに私が恥ずかしがることさせたいんですかねー。

ってか私たちは道の真ん中に居たので…、このままだと先輩が車に轢かれそうなので…。


「先輩。土日で頑張ってみてください。じゃ、おつかれ様でしたー」

「あ、ちょ、お前」


珍しく先輩が待ってくれー。みたいな感じでしたが無視です。はい。


さあさあ、先輩は土日でどんな行動にでるんですかね。って、今ストーカーしたら苗字はわかりますけど…。って思いながら後ろをみたら…。まだ先輩悩んでました。


あれは…。マジでそのうち轢かれますね。


「先輩。車に轢かれますよー」


優しい私はそれだけ言って家へとかえりました。先輩が無事に帰ったかは見ていないから知りませんが…。その日の夜と翌日翌々日のニュースに交通事故のニュースが無かったので大丈夫でしょう。

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