第21話 最難関問題2

水曜日。

私が放課後いつものように特別棟3階に行くと…。


「あれ?先輩教室の前で何しているんですか?」


いつもの部屋の前。廊下で先輩が荷物を持って立って居ました。


「やっと来たか」

「いやいややっとって、放課後になってまだ3分くらいしか経ってませんからね?私これでもかなり早い方だと思いますよ?先輩が来るのが早すぎますからね?ってなんで廊下に居るんですか?ついに勝手に使っているのがバレて入れなくなりましたか?」

「いや、言った便局に行くんだよ。切手買いに」

「あー。そういう事ですか。ってことはこれは待ち合わせだったんですね。ってことは…。待った?」

「はいはい」

「うわー。美少女の演技を流しよったよこの先輩。ひどーい」

「お前たまに変な話し方するよな」

「この先輩マジで叩きましょうか」

「もう叩かれたことあるんだが。っか行くぞ」

「あっ、はい。付いていきます」


ということで私は今さっき歩いた廊下を戻ります。

まあさっきと違って先輩を一緒ですがね。

って先輩と話しながらこうやって移動なかなかいいですね。


「そういえば先輩」

「うん?」

「いろいろ聞きたいことがあるんですが。なんで先輩パズルばかりやってるんですか?」

「いや好きだから。あとプレゼント目当て」

「プレゼントも目当てだったんですね」

「結構当たるぞ?」

「えっ?そうなんですか?」

「じゃあちなみに最近当たったものは何ですか?」

「えっと…。って靴持ってくるわ」

「あっはい」


と、ここで 下駄箱に到着したため私と先輩は一時離れ離れ…。そして靴を履いたらまた集合ですね。再会です。


「で、何話していたっけ?」

「いやいやプレゼントですよ。記憶力大丈夫ですか?」

「めっちゃ馬鹿にしてるよな?」

「先輩馬鹿ですからね。で。何が当たりましたか?」

「馬鹿馬鹿よく言うやつだな…。ってまあ最近ってか今年だと…。図書カードだろ」

「それはまたパズル買うのに役立ちますね」

「後はグルメカタログも当たったな」

「ほー、そういうのもあるんですね」

「あっそうそう5000円当たったな」

「現金も当たってたんですか。って結構当たってますね」

「で、1か月くらい前に置き型のゲーム機当てたな」

「ちょっと待ってください。先輩めっちゃ当たってません!?」


うん。当たりすぎじゃない?懸賞ってそんなに当たるの?いやいやあっでも先輩いろいろなパズルしていたから…。


「まあ今年はよく当たる時だったみたいだな。当たらない時は当たらないが。っか切手代やら本代があるから損しているかもだがな」

「いやいやゲーム機当たる時点でプラスでしょ、ってあー、先輩ハガキとかも買ってますもんねー」

「送らないと当たらないからな」

「っか先輩そもそもなんで家でパズルしないんですか?学校より集中できると思いますが?私なんかが邪魔してくることもなかったんですから」

「邪魔している自覚はあったか」

「いやだなー。邪魔してるなんて。してないですよー」

「いやいや今自分で言ったよな?」

「さあ?」

「お前の方もなかなかの記憶力だな」

「失礼ですねー先輩は。でもまあ私は優しいので許してあげましょう。ってか。なんで家でしないんですか?」

「いや。まあ親がな…」

「あー、あれですか。パズル禁止!とかなんですね。大変ですね」

「いや逆」

「逆!?」

「親もパズル好きすぎてな。俺がやっていると勝手に口挟んできて。最悪本持ってかれる」

「…。パズル一家だったかー、ってじゃあなんで火曜日と木曜日は先輩放課後居ないんですか?」

「うん?あー、火曜と木曜土日は親が2人とも居ないってか。俺んとこ店しててな。月、水、金はお手伝いさんが居るからで母親が家に居るからいいが後は2人ともいなくてな。家事しないといけないからだよ」

「なんと。先輩家事出来るんですか?」

「できるからな!?」

「うそだー」

「してるからな?小学生の頃からしてるんだから」

「あっ。なかなかの期間。ってお店してるんですか?」

「ああ。気持ち悪いほど仲良しでちょっとしたお菓子屋をな」

「うわー。なんかイメージが出来ないんで。そのうち訪問します」

「やめろ」

「なんでですかー。お客さんですよ?お客さんは大切じゃないですか?」

「いや…。お前見てるとなんかいつも乗っ取ってくる母親に見えてくるから」

「私ママじゃないから!」


バン。


と。先輩を叩いた私でした。いやいやってかこの美少女ちゃんを自分の親と重ねます?ってか私こんなデカい子産んでませんからね?ってそもそも…。おっとこの情報は不要ですね。って。もしかして…。私と先輩のママさん気が合うのかな…。うん。なんか楽しそうな気がしてきました。絶対行きましょう。


「地味に力強いよな」

「失礼な事言いましたからね」

「っかマジで…。なんか意気投合とかされたら勘弁だから」

「ってことは…。なるほどやっぱりこれは訪問確定ですね」

「絶対教えん」

「えー。って先輩。郵便局通過してますよ」


と、私は郵便局の入り口前で止まったんですが…。先輩何故か通過していくというね。そんなに話すのが楽しかったんですかね?


「マジだ。お前が変な事言うから」

「私変な事言いましたっけ?」

「訪問とか言うからだよ」


そんなことを言いながら私たちは郵便局の中へ。


ここの郵便局は町の郵便局で小さな郵便局です。

都市部にあったりする大きな郵便局ではないので。所長さん?と職員さんが2人居るだけの小さな郵便局です。ちなみに私もたまに来ます。


「こんにちは」


先輩はいつもの事なのか。挨拶をしつつ入っていきました。って…。私が付いていくと…。すでに職員さんと話していた。って馴染んでいる。うん。これは常連さんの感じですね。


「えっと94円の切手30枚ください」

「はい。94円30枚ですね。2820円になります」


と、先輩はすでに窓口で切手を買っていましたが…。あれ?でも先輩って月曜日にハガキ作ってましたよね?封筒に入れてましたよね?なんで切手を買っているんですかね?


「先輩先輩」

「なんだ?」

「いえ、なんで切手買ってるんですか?」

「え?」

「いや、だって月曜日に封筒に入れるまでしてましたよね?だったら封筒渡しちゃって貼ってもらえば…」


と言っていて私は気が付きました。

この先輩。そういえば今日身軽。


「もしかして…。封筒を家に忘れてきたと」

「…」

「お馬鹿ですね。二度手間ですね」

「うるさいな」


と。お馬鹿先輩と話していると。窓口の女の人。優しそうなおばちゃんが切手を準備して…。こちらに。そして。


「今日は彼女さんと?」

「えっ?」


と、先輩にそんなことを聞きました。おお。私たちカップルに見えるみたいですよ。先輩。と思いつつ先輩がどんな返事をするのかなー。と思っていたら。


「これ単なるストーカーですから」

「ちょっと待てい!ストーカー!?」

「ストーカーだろ?」

「意義を申し立てます」

「窓口前で騒がないように」

「なっ…。先輩が真面目なことを…。ってことでこの後に異議を申し立てます」


と先輩とそんなやりとりをしていると…。


「ホント仲良しね。あっ、よかったら2人とも飴どうぞ」

「えっ?あっ、ありがとうございます!」

「どうも」


と。なんか知らないですが。おばちゃんに飴玉もらいました。ラッキーですね。


ということで郵便局で切手を買った先輩は郵便局を後に…。もちろん私も付いて出て行きます。


郵便局を出ると…。


「じゃ」

「いやいやもう解散ですか?」

「郵便局に切手買いに来ただけなんだが…」

「まだ普段なら下校時間になってませんよ。ってことで寄り道しましょう」

「いや、帰るから」

「いやいや先ほどのストーカー発言に関しては文句を言わないとなので。まず目の前にある自動販売機で紅茶の購入を先輩に希望します」

「いやいや帰る」

「ダメです」

「なんでだよ」

「いいから買ってください。かわいいかわいい美少女ちゃんのお願いですよ?」

「自分で言っていて恥ずかしくないか?」

「美少女ですから」

「…」

「うわ。この先輩ひどーい」

「…。まあうるさいから買うけど」

「優しい!」


ということで先輩に飲み物を奢ってもらいました。


「あー、歩いたから美味しいですね。って暑い中美少女ちゃんを歩かせたのでマイナスですね」

「何がマイナス何だか」

「そりゃ…。なんですかね?」

「考えてから言えよ」

「まあまあ、放課後デート楽しいじゃないですか」

「単に付きまとわれて。ジュース買え言われたんだが…」


とまあ自販機のところで私たちはしばらく話して…。

ってまあさっきはまだ下校時間前とか言ったんですが。実はもうあと5分くらいでいつもならチャイムが鳴るんですよね。

ってことで飲み物買ってもらって…。少し話していたら。


「よし。飲んだし帰る」

「ちょ」


と、まあそんな感じで先輩はスタスタ逃走。

追いかけるを選択した私でしたが…。


「自分の家帰れよ。明るいけど遅くなるとだろ」

「…」


とか先輩に言われたので…。途中の交差点で別れることとなりましたとさ。

ちょっとだけ優しい?先輩でした…。って金曜日どうするのか聞かなかった!?


と、私が振り向いたときにはもう影もなかった先輩でした。


「逃走早っ」


でした。

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