異世界でも童貞確定した俺が超絶に使えない魔法を与えられて魔王を倒すまでのお話。
伊勢池ヨシヲ
第1部
第1章~異世界でも童貞確定した俺が超絶に使えない魔法を与えられるまでのお話~
第1話 プロローグ
「今ね、お父さんとお母さん旅行してて、今日は帰ってこないの……」
「えっ?」
「ウチ……くる?」
うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
アニメやエロゲとかでしか見たことがない、完璧なまでのテンプレートなセリフ。そして世の男子なら、誰もが一度は夢見るシチュエーション。
それを今、俺はリアルに目の当たりにしている。
俺は高二にして人生初の彼女ができた。遅いって? ほっとけ。
そして人生初ということは、言うまでもなく俺はまだ童貞だ。まぁ堂々と言うことじゃないよな、うん。
彼女はクラスメートの
ぶっちゃけ、由依ちゃんの成績はいささかアレなんだが、黒髪ロングのストレートに赤ぶちメガネはもう完全に俺のドストライク。しかも巨乳ときている。控えめに言ってGカップはあるはずだ。
そんな由依ちゃんとお付き合いを始めてはや1か月。なのにまだ手すら繋いだことがない。
俺ってどんだけヘタレなんだと我ながら死にたくなっていたところに、由依ちゃんが突然ウチくる? なんて意味ありげに誘ってきた。
そんなの健全な高二男子なら、妄想もあっちも膨らんじゃうってもんでしょう!
「じゃ、じゃあ、今日はずっと由依ちゃんといられるってこと?」
俺は心臓をバクバクさせつつ、確認の意味を込めて聞き返してみる。もちろん、そこにはエッチもありなんだよね? っていう重要なメッセージも含まれているわけなんだが。
……ゴクリ。
生唾を飲み込むねっとりとした音が響いた。やっべ、由依ちゃんに聞こえたかも?
そんな心配をよそに由依ちゃんは無言でこくっと頷いた。恥ずかしそうに俯き頬を赤らめている姿がめっちゃ可愛い!
おっしゃあああああああああああああああああああああ!!!
俺は心の中で雄叫びを上げた。
今日で俺、
まずはユニシロでおニューのパンツ買って、あっ、それとゴムも必要だよな。うわぁ、買うのめっちゃ恥ずかしい。ていうか、ゴムってどこで買ったらいいんだ?
とりあえず、一度家に帰ってから夕方に由依ちゃんちへ行く約束をして別れたのだが、その後のことはテンパっていたのでよく覚えていない。
ただぼんやりと記憶に残っているのは、車のクラクションと激しいスキール音。そして、ドスンという鈍い衝撃とともに、目の前が真っ暗になったということだけだった。
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【あとがき】
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