幼女を愛でてHP回復!~ただしメスガキ魔王、てめーはダメだ~

シャナルア

第1話

「ヤスケ、このパーティーから抜けてくれ」


「勇者よ、俺はタンク職としてこのパーティーを身を挺して守り続けたはずだが?」


「だったら、そのエロ本を読むのはやめろ」


「断る」


「このパーティーは女性も多い。

 そしてお前は、四六時中幼児の裸のような写真がついてるエロ本を読んでいる。

 俺もパーティーの皆も、お前と一緒にいるだけで苦痛なんだ」


「お前も知っているだろ? 俺は幼女を愛でるとHPが回復する体質なんだと」


「四六時中見るのはおかしいだろ!!」


「俺の趣味だ、勝手に口を出すな」


「ならば覚えとけ。職場でエロ本を読むヤツは、たとえどんなに優秀でもな――リストラされるんだよ!!!!!!!!!」


「ぐああああああ!!!!」


***


「まあいい、勇者パーティーには幼女がいなかった。

 俺には合わない職場だった」


「ふむ、これからどうしよう」


「……そうだ、幼女を好きなだけ眺める人生を送ろう」


「だったらまず、この【桃色少女写真集】のモモコちゃんに会いに行こう」


***


 幼女と太ったおっさんが会話していた。


「ねえ、お兄ちゃん、わたしのファンだったでしょ? 今夜どう?」


「え……」


「どう?」


「いや、確かに僕はモモコちゃんのファンだったけどさ……流石に……」


「……どういうこと?」


「10年前の写真集、大好きだったけどさ、今も体が大きくならないなんて……ちょっと24歳でその姿のままは生々しくて」


「そ、そんな」


「ごめん、無理」


***


 振られたモモコは一人叫んでいた。


「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

 ふざけんなァああああああああああああああああああ!!!!!!!!AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


「体質なんだよ!!!!!! 仕方ないだろ!!!!!!!! 自分が一番ツッコみたい!!!!!!! なんで24にもなって幼女のままなんだよ!!!!!! わたしはああああああああ!!!!!」


「だれも結婚してくれない!! 恋人にもなってくれない!!!! 行き遅れたまま独り身を過ごして、子供から大人になれず、そのままおばあちゃんになっちゃうよ!!!!!!!」


「元ファンだったロリコンおっさんにアピールしたわたしが馬鹿じゃん!!!! 生々しいとか死ぬほど傷つくわ!!!!!」


 そんな彼女に男が話しかける。


「君は――もしかして【桃色少女写真集】のモモコちゃん」


「え――」


「会いたかった。こんなに簡単に出会えるなんて」


「あなたは――(きゅん! む、胸がドキドキしちゃう!)」


「俺の名はヤスケ。

 美しい……写真以上の美少女だ」


「そ、そんな……褒め過ぎだって……照れちゃうよ(はあはあ! キタコレ!! 長身で、ギロリと睨みつけるような目つき、そして黒髪のロン毛が似合うイケメンがわたしに話しかけてる……!!)」


「これから、俺とデートしないか?」


「ああ、とても嬉しい……けど……(うう、でもわたし、勘違いしちゃだめよ)」


「なんだ?」


「わたし、これでも24歳なの……

 あなたが持ってるその本は、10年前のものよ(つらいけど、年齢を偽るのは悪い事よ……正直に生きるのよ、わたし……!)」


「むっ」


むくむくむく――


「ふふ、失望するわよ……ね……?(あれ? アソコがなんかすごく大っきくなってない……?)」


「素晴らしい」


「ひょえ?(ま、まさか……!)」


「俺はどうしようもないほど君に惚れた――結婚して子作りしよう」


「ええ!――喜んで(ふぉおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!! いよっしゃああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!! 大勝利ぃいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!)」


***


〜数年後〜


「こ、これが魔王の強さ……」


「えー、勇者ちゃんってこんなに弱いの????」


「星神の魔王メェス・ガキ――人類は、いやこれじゃあこの星そのものが……」


「ざあこざあこ! きゃは!」


***


 俺はモモコと結婚した。


 娘も生まれた。


 エロ本は、モモコの写真以外すべて捨てた。


 そしてサラリーマンとして、リストラされずに働いていた。


「勇者が魔王に負けた!!! この国は終わりだ!!!」


 誰かがそう叫ぶ。


「騒がしいな」


 周囲は混乱に満ちていた。


「ねえ、わたしたちはどうなるの?」


「パパぁ、みんなどうしちゃったの?」


「ふむ、あいつらは死んでしまったのか……大丈夫、心配するな」


「あなた……」


「パパ……」


「俺が魔王をやっつけるからな」


***


 モンスターを全滅させた後、魔王の部屋の扉を開けた。


「お前、わたしの軍勢を全滅させたんだ〜 ふ〜ん!」


「残りはメェス・ガキ、お前だけだ」


「でもぉ、わたしに勝てるわけないじゃん! ざあこ!」


「正直、君は可愛らしい幼女じゃないか。

 俺は幼女を殴る趣味は無い。

 反省するなら手は出さん」


「うざあああああああああwwwwww 興味ないですよアピールwwwwwww クソ受けるwwwwwwww ちょろすぎーーーーーーーー!!!!!!!」


「――は?」


「しんじゃえばぁーか! 無自覚キモキモ男爆発剣!<スーパーノヴァ>」


 無自覚キモキモ男爆発剣――


 星が爆発したときに放たれる衝撃と、自身のキモさを自覚した男が感じてしまう衝撃を掛け合わせたエネルギーを0.0001ミリの刃にして敵を切り裂く。


 その剣筋に存在していた24個ほどの惑星は真っ二つに引き裂かれ消滅した。


 無論、ヤスケも――


「そんなものか」


「は? え? 効いてないの? 無傷?」


「……」


「ふ、ふーん……。この一瞬で避けるなんてすごいじゃん。だったらこれはどう?

 クソ雑魚童貞発破〈ユニバースブレイク〉!!!!」


 クソ雑魚童貞発破――


 多元宇宙に存在する魔力をすべて、両手一杯の大きさに凝縮し、解き放つ最終破壊砲。


 膨大な魔力量は、無量大数を超える量としか形容できない。


 1000年単位で生きている魔法使い<どうてい>が1000000年間魔法を打ち続けても枯れ果てない魔力量を一回の攻撃で集約したそれは、どんな星をも破壊し、飲み込む。


 ヤスケもろとも、宇宙と呼ばれる空間そのものが1/5ほど削れ――


「効かないな」


「は、はえ?????」


「う、嘘でしょ、な、何者???? 訳解んないんですけどぉおおお???」


「一瞬で全回復可能だ」


「こ、今度こそこれでしんじゃあえええええええええええ!!!!!!!!」

 絶対分からせパンチ<リバース・ゼロ>ぉぉおおおおおおおおお!!!!!!!」


 絶対分からせパンチ――


 宇宙が始まる前に存在したなにか。


 ザ・ワンと呼ばれる存在は何の気まぐれなのか、宇宙を生み出し、星を生み出し、神を生み出し、人間を生み出した。


 ザ・ワンをという存在を終わらせるには、全宇宙ありとあらゆるエネルギーをもってしても打倒することは出来ない。


 が、その全宇宙のありとあらゆるエネルギーすら上回る超元素、【分からせ】を拳に込めて放たれる幼女パンチこそ、リバース・ゼロである。


 ザ・ワンですら死を免れない一撃。


 世界は滅びた。


「はーははは!!! きゃは!!!! 世界ぶっ壊されて死んじゃってるの!!!! ぷークスクス!!!! ざあこざあこ!!!」


「よく見ろ、世界は無事だ」


「はえ?????? なんでぇ?????????」


「全部俺が受け止めた。

 俺は死ぬことなく、完全回復した。

 それだけだ」


「はえ??」


「俺は幼女を見るとHPが回復するんだ。

 ――前まで使っていたエロ本では回復が間に合わなかっただろう」


「おえ!!!!!! キモすぎ!!!!!!!

 も、もしかして、わたしをみてコーフンして――ギャフああああああああああ!!!」


「勘違いするな、お前に欲情などありえん。妻のモモコと、娘のアスカの写真を見ていたんだ」


「幼女は殴らないって――」


「そうだ、俺は幼女は殴らない。――だが、悪魔は別だ」


「ひぃ!!!!」


「さあ、お仕置きの時間だ。ケツを出せ」


「そ、それってまさか――」


「お尻ペンペンだ」


「そ、そんなのが効くわけないもんね!!! やっぱり馬鹿!!! ば〜か!!! よわっちい雑魚雑魚ビンタがわたしに効くわけが――ぎゃあああああああああああ!!!!!!!!!」


 光の速度を超えたお尻ペンペン。


 お尻から、脊髄を通して、全身に宇宙が駆け抜けるほどの衝撃が脳をとろかす。


「んぼぉおおおおお!!! こ、これ、ダメ!!!! つ、強すぎイィいいいいい!!!!!」


「よし、あと残り99999999、一気にやるぞ」


「え、こ、これ以上は――」


バチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッバチンッ


「んほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

ダメええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!! ごめんなさいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


***


「ごめんなさいぃぃいいいいいいい!!!!! うわあああああん!!!!」


「これまで殺した皆を生き返らせたら許す」


「分かったぁああああああ!!!!」


 勇者達と人々が蘇った。


「よし、これで万事解決だ。

 君に親はいるのか?」


「ぐすんぐすん、いないよ」


「だったら俺の家に暮らそう。お前を教育できるのは俺だけだからな」


「……ふ、ふん! 簡単に改心すると思ったら大間違い何だからな! 次こそ分からせてやるからな」


 世界は救われた。





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