恋愛相談部!

@Nighthaze

第1話 後輩思い

ある雨の日の放課後、私、一ノ瀬葉月はため息をついた。

「はあ、誰も来ないねー。ここの評判悪いのかなあ」

「何を言っているの?葉月は、難しい相談も解決してきたじゃない」

「そうだよ!葉月ちゃんが落ち込むことないと思うよ」

二人にそう言われ嬉しくなっていると、ドアがノックされた。

「「「入っていいですよ」」」

と三人が言うと、ドアが開いた。そこに立っていたのは、三年の、相川令奈先輩だ。

正直、ちょっとビックリした。いつもは無表情で、話しかけたらバケツの水を、頭からかけられそう……(私のイメージ)な顔をしているが、今日は、元気がなさそうだ。「あなた達が、恋愛相談部?」

「はい。令奈先輩は、何か相談があって来られたのですよね?」

そう、私たちがやってる部活動は、恋愛相談部。つまり、恋愛の相談を受け付けている部活動だよー。

「うん、そうなの。話が長くなるんだけど……」

そう言うと令奈先輩は、今週の火曜日から今日までのことを語った。

火曜日の帰り、私が彼氏の白鳥春樹と帰っている時、まだ何も話してないことに気が付いた。いつもなら、春樹から面白い話をしたりしてくれて帰るのだ。だけどその日は雨だったので、空気がどんよりしているだけかもしれないと思った。しかし、次の日(昨日)のことだ。一緒に帰っていると、春樹が突然、口を開いた。

「なあ、令奈は、本当に俺のこと好き?」

令奈は、突然のことに驚いたが、“もちろん”と言った。すると、春樹が、怖い顔でこう言った。

「本当は俺に内緒で浮気してんだろ!?もういいよ、今日は一人で帰らせてくれ」

そう言うと春樹は走って帰って行ってしまった。残された令奈は、雨に打たれ、泣きながら帰って行ったのだった―

だからここへ来たのだという。

「心当たりはないのですか?」

「うん…それに、同じクラスなんだけど、一度も目を合わせてくれないの…」

とても悲しそうな顔をする令奈先輩にどう言えばいいのか分からないので、私たちは黙ってしまった。でも、それでも、私は令奈先輩のために頑張りたいと思い、勇気を出して言った。

「私、頑張って最後までやり遂げたい!だから、二人も頑張ろっ!」

「さすが、度胸だけはすごいわね。でも、これは恋愛相談部の出番よ!」

「私たちは春樹先輩の聞き込みをします。」

そして、令奈先輩の顔が少し和らいだようだった。

(もう少しニコニコしていたら、友達増えるのにと思ったことは、内緒❕)

そうして、部室をでていったのだった。


翌日、早速休み時間に聞き込みを始めた。しかし、いつも通りだったと言う人が多い。そんな時、春樹先輩の親友らしき人が、驚くことを口にした。

「そういえばあいつ、彼女に振られたっていってたぞ。そう言ってから、元気がないように見えるんだ。」

「「「本当ですか!?」」」

身を乗り出した三人は、休み時間が潰れるまで、話を聞かせてもらったのだ―


その放課後、私たちは令奈先輩を呼び出した。そしてじっくり話し合い、やっと答えにたどりつけたのだ。と、その時、ドアがガッと開いた。そこに立っていたのは、何と、春樹先輩、張本人だったのだ!

「春樹…なんでここに……」

「こっちのセリフ!あ……もしかして、浮気相手の相談をしにきたんじゃないのか⁉なあ!どうなんだよ⁉」

そう言ったのと同時に、みんな『はあ、、、』と呆れた。で、私が探偵っぽく言った。

「もうその誤解は、解けましたよ?テレッテテッテンテーン!解説タイムぅ~」

※皆様、あの効果音をパクッテる‼なんて叩かないでください……

ゴッホン、気を引き締めて、申すのであります。(なぜから途中から敬語?)

えーまずは火曜日の事から。令奈先輩の仲のいい後輩男子に、好きな人ができたらしい。なので、リハーサル相手を令奈先輩がやった。そして、偽告白をした。それに対して令奈先輩は「OK、いいよー」と言った。そのリハーサルをやっていた所に、春樹先輩が来て、見てしまったんだって。それで春樹先輩が悲しくなって、関係にひびがはいってしまったんだ。令奈先輩がいった『いいよー』は、イイ感じ!と言ったのだが、それを告白に対しての返事と受け取ってしまったということだ。それを聞いた春樹先輩は、顔を真っ赤にしてぎこちなくこう言ったのでした。

「ごめん、、、本当に俺の事はどうでもいいと思ったんだと、、、ユルシテホシィ、、、」

男子が相当恥ずかしくなって、小さくなるところを見たのは初めてだ…でも、令奈先輩はというと……わ、笑っている……

「ふふ、こちらこそ、誤解されるような事してごめんなさいネ♥はーるーき♥」

「れーな♡♡♡」

そして、二人とも仲良く帰って行ったのでした~と思ったら、

「あ、そーいえば、好きな子ができたって言ってた後輩はどうなったんだろ、、」

「そーだ、いいこと思いついちゃった。みんなも、ちょっと付き合ってよ」



今、私たちは令奈先輩と仲のいい後輩の教室に来ている。なぜそうなったかというと、令奈先輩が、『まだその子は部活だから、もう少しで教室に戻るかもしれない。で、今日、好きな女の子に告白するって聞いたよ!だから、今からコッソリ見に行こ❕ね?』そのきらきらした目につられてしまったってワケですよ。、、悲しみ、、。

今、私と琴葉が、ロッカーの死角に隠れている。で、莉桜がそのロッカーの中。そして、春樹先輩と令奈先輩はというと……あれ?先輩たちの様子が見当たらない。さっきまではいたのにな、、、、、、って、えぇ~⁉⁉⁉⁉⁉なにあれ⁉カーテンを見たら、なんと、カーテンの下に、足が生えているではありませんか⁉しかも、隙間から、見覚えのある顔が……やっぱりそうでした。令奈先輩と春樹先輩でしたーーー‼もしかして、隠れるの、下手すぎですか⁉ばれると思わないのかな⁉

《ガタンッ!》あ~タイミング悪すぎ……もう二人とも来ちゃったよ~

「あ、あのさ、、」

あー‼いよいよクライマックス‼

「つ、つ、、、付き合って欲しいっ‼」

言ったー‼さてさて、この後どうなる⁉

「……いいよ」

「やったー!ありがとう!」

「うん。ところで、どこに行くの?」

『、、、へ?』

みんなの声がそろった。どういうことだろう。

「‼だれかいるの⁉」

しまった。どうしよう。と、そこへ、一人の影が見えた。もしかしてだけど、、琴葉⁉いつの間に!

「すいません、友達に、ノートを机の中に入れてきて欲しいと頼まれましたーあははは」

「ふう~ん。ねえ、ショッピングしたいの?それとも、女の子のためのプレゼント?近くのお土産屋さんでいい?」

「、、何を言っているの?」

「だーかーら、買い物に付き合ってっていったのは、君でしょ?ほら、行くよ!」

後輩君は、まじか、、と言った顔で、出て行った。

告白相手は、超天然ちゃんだったのでした~(o^―^o)

最後はこの言葉で締めくくりましょう!

、、めでたしめでたし。、、、?

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