2.~三英傑と天下わからせ~

 昔々、戦国時代の三英傑が集まっていました。信長、秀吉、家康はそれぞれ、どのようにメスガキをわからせるかを話していたのです。

 そこにちょうど良く、3人のメスガキがやってきました。


「よし、あれを1人ずつわからせよう」


そのうちの1人が信長に近寄って言いました。


「ざぁこ♡ 危機管理よわよわ♡ 義弟と家臣に裏切られる♡ 第六天魔王♡ 比叡山焼きは二番煎じ♡」

「喧しい。わからせるぞ」

「えー怖ぁーい♡弟みたいにされちゃーうw」


 信長はメスガキの頬に拳を振るいました。


「いったっ!おじさんそれ犯罪っ―― 」

「戦国に傷害罪はない」


 倒れたメスガキに馬乗りになると、信長は脇差を抜いて突きつけました。


「ご…… ご、ごめんなさい…… 」


 信長は脇差を鞘に納めました。メスガキが息をつくと、すかさず信長はメスガキの首を絞めました。


「安心していたか?許すものか。切る価値すらないだけよ」

「いっ、ぐ、あっ…… う」


 秀吉が間に入り、メスガキは解放されました。息を整えもせず平伏したのを見て、信長は満足そうに頷きました。

 次に2人目のメスガキがやってきて、秀吉の前に立ちました。


「よわよわせーし♡ くそざこ身分♡ おさるさん♡ 指が6本ある♡」

「ほほう。わからせてやろう」

「秀頼は他人の子♡」


 秀吉は大きく息を吸い込みました。


「友はどうした? もうそろそろ頃合いだろう、夫はどうした?」

「えっ?」

「いや、失礼したな! 細身で弱々しい身体! 丸顔! 二重の瞼! こんな不細工では友も夫もできるはずないか!」


 秀吉は嘲るように大笑いしました。


「それは魅力に誰も気づかないだけでっ」

「さっさと尼にでもなればよい! 生臭坊主なら手を出してくれるかもしれんなぁ!」


 とうとうメスガキは俯いて、泣いてしまいました。


「大人を舐めるからこうなる。もうやめるか?」

「しない、じないぃ」

「そうか。ならいい」


 メスガキの顔が上がりました。すかさず秀吉は言います。


「泣き顔も可愛くないとは驚いた!」


 メスガキはショックで倒れてしまいます。秀吉は満足そうに頷きました。

 

 最後のメスガキが家康の前にやってきました。


「みっともなーい♡ 負けて漏らした♡ 妻と子供を殺してる♡」


家康は何も言いませんでした。


「えー♡ 何も言い返せないんだぁ♡」


 家康は目も合わせませんでした。


「一揆で家臣に逃げられる♡ ケチ♡ いっつも人質♡」


 メスガキはだんだん怖くなってきました。


「ねえ聞いてる? あれ? ねぇちょっと、ねーってば」


 家康はあとの2人を誘って雑談を始めました。

 メスガキはとうとう泣き出してしまいます。


「大人は怖いだろう。もう挑発はするな」

「…… ぷっ、もしかして騙されちゃったんですかぁ?ウソ泣きに騙されてる♡ 国家レベルの引き籠り♡」


 怒った家康は、国中の者に命じてメスガキを無視させました。

 1か月後、メスガキは孤独に耐えかねて家康の前に現れます。


「もう無視しないで…… わかんない、わた、私は喋ってる?」

「もうしないか?」

「返事!? お返事きた!? うん、うん! しない!」

「…… 気のせいか。何か聞こえた気がしたんだがなあ?」

「うあああああ!」


 最後に残ったメスガキも倒れて鳴き始めました。

 こうして、三英傑はメスガキわからせ三大流派の祖となるのでした。おしまい。

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