47.再会?
クラウスが放った渾身の突きがアイオンに刺さることはなかった。
なぜなら、突如二人の間に出現したどす黒い
「はぁ!??」
この異常な事態の不気味さを感じとった二人は、その
予測のできない事態に二人が警戒していると、
そして、その中には一人の男の姿が浮かび上がっていた。
「おまえは……」
「あの時、消えたはずじゃ……」
その男はファウストであった。
メラゾフィスとの戦闘中に禁呪の力に飲み込まれて消えたはずの彼がそこに立っていることに、ふたりは激しく動揺した。
「くはハハハ!!
キャははハハハ!!」
その事態により一層動揺する2人。
そんな中、マサラは冷静であった。
「まったく、2人とも落ち着きやがれ!
しかし……
こいつのこの感じは……」
マサラは動揺する2人に呆れながら、ファウストから『人ならざる者』の気配を感じ取っていた。
「お前たち、いい加減冷静になれ!
こいつから人ならざる者の気配を感じる、集中しろ!!」
マサラだけでなく、フェリシアもまたその異様さを感じていた。
「クラウス……、ヤツから目を離すでない。
この禍々しい魔力は……
まさか禁呪と完全に同化しおったのか?」
マサラとフェリシアの二人の言葉により、アイオンたちも冷静さを取り戻し始めていた。
「きゃはハハははは!
ミンナ、死んでシマえええええぇぇ!」
完全に我を忘れた状態であるファウストは奇声をあげながら、アイオンへと殴りかかった。
身構えていたアイオンに魔術師であるファウストの打撃が通るわけもなく、なんなく回避する。
そして、その回避に合わせるようにして放たれたマサラの一閃にて、ファウストの右腕が宙を舞う。
「ぎゃああアアああああはあはは!!!」
ファウストが奇声をあげると切断されたはずの右腕がどす黒い
だが、それは元の腕とは似ても似つかない、異形なものであった。
「もはや人ではないようじゃの」
哀れみの籠った言葉を発したフェリシアは、ファウストの体を横薙ぎに分断した。
しかし何事もなかったかのように、どす黒い
「ファウスト……
幼馴染として引導をわたしてやる!!」
クラウスの突きがファウストの頭部を貫く。
しかし結果は今までと同じであった。
誰がどこの部位を破壊しても、すぐにどす黒い
ファウストは攻撃してくることもなく、ただただ奇声を上げながら、どんどんと異形な姿へと変貌していくのである。
「あああああアアアアぁぁァァァ!!!!」
一際大きな狂声をあげて再び襲いくるファウスト。
体中から無数の闇の触手を飛び出させるその姿は、もはや人の形をとどめていなかった。
4人は次々と迫る触手を迎え撃っていたが、絶え間なく続く攻撃に、じり貧となっていた。
そして、ついにその限界を超え、触手がアイオンの胸を貫かんとしていた。
「アイオン!!!!」
クラウスの叫び声が響く中、アイオンの聖剣『アーク』が
「ぐあああああああアアアアアあああ!!」
光を浴びて苦しそうな声をあげてうずくまるファウスト。
そして、その光の中には、うっすらと一人の女性の姿が浮かび上がっていた。
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