無人島生活

無人島生活 帰還（後半）

薬を盛られ記憶を失った

あの日の記憶が甦る

くっきり二重の美人

クラスのマドンナ

奴は路地裏で彼女を襲った

目撃者は消せ

奴は俺を拉致し

無人島に捨てたのだ

まだ体が痺れて動かない

狸寝入りを続ける

小型船でまたあの島へ運ぶつもりか

「この睡眠薬、俺の島の海藻で出来てんだゼ」

睡眠薬を盛られ無人島へ拉致される

薬の原料の海藻

散々食べた結果

抵抗を得た模様

5時間は眠る所

1時間で目が覚めた

島が近付き速度が落ちる

船を操る奴は無防備

今だ！

奴を突き落とし舵輪を奪う

逆に置き去りにしてやる

船縁にしがみつく奴

落下時に負傷したのか

海が赤く染まった

無人島に拉致されたが

逆に奴を海へ突き落とした

小型船を見様見真似で操る

速度を上げると

船縁にしがみついた奴は

必至で大声を上げた

「この辺りにはサメがいるんだ！助けてくれ！」

俺を二度も無人島に捨てようとした奴を

助ける義理は無い

奴の足元から流れ出る血が赤い帯を作った

俺を拉致した奴を返り討ち

船縁にしがみ付く奴は

血の匂いに誘われたサメに襲われ

海中に没した

生還後

奴に穢された彼女を訪問

記憶を失い傷心の彼女を優しく慰め

俺達はすぐ結ばれた

1年後

出来婚

早産だが元気な男児を出産

嬰児は俺似でも母似でもなく

奴に瓜二つの糸目だった（完）