過去の清算、その言葉がふさわしい

(2022/8/4執筆)
 エリートにも関わらず拳銃を携行できない警察官、市川警部。
 そんな彼に主人公の緒方勇刀警部補が興味を持つ事から始まる。

 最初は勇刀に対してそっけない態度を取る市川だが、それでも彼の事を探ろうとする勇刀と、市川が過去に遭遇した事件、更には新たに発生した事件が複雑に絡み合う重厚な物語だ。

 この物語を簡単な言葉で語るとするなら、「過去の清算」だ。市川には勿論の事、主人公の勇刀、係長の遠野、彼らに関わりのある警察官、そして事件の犯人にも、何かしらの過去がある。それを念頭に入れつつ、事件を追うと、より面白く感じることができるだろう。

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