国をも巻き込む青年と皇女の出会い

  • ★★★ Excellent!!!

(2022/8/18執筆)
 貴族の長男ながらも、記憶喪失の治療に明け暮れる主人公、穂積宗次郎。
 そんな彼が、事件をきっかけに第二皇女、皇燈と出会うところから物語が始まる。

 その出会いはと言うと、燈が宗次郎の事を国家反逆罪で逮捕すると言い出すとんでもないものである。
 しかし、物語を進めていくと、宗次郎と千年前の戦いとの関係、皇女としての燈の覚悟が徐々に明かされ、事件を解決していくうちに互いを信頼できる関係になるという、まさしく2人に焦点を当てた物語である。

 勿論、物語を彩るのは2人だけではない。
 2人に協力する者、2人に敵対する者それぞれに背景があり、それぞれの考えの下動いているというのが面白い。
 そのため、物語が進むに従って関係性が変わったり、敵対する者だとしても、その考えには同情してしまうところがあった。

 更には、直接的なバトルだけではなく、政治面での戦いも掘り下げられているのが特徴だ。
 その中には、国としての在り方についても考えさせられる場面もあり、思わず感心してしまった。

 国を巻き込む壮大な展開を楽しみたい方に是非!

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