SCP-005-JP-orig 「夢喰」

アイテム番号: SCP-005-JP-orig


オブジェクトクラス: Euclid


特別収容プロトコル: SCP-005-jp-orig(以下SCP-005と称する)は、質素な家具と浴室が備わった2部屋の独房に収容されています。SCPについての情報を漏洩しないという契約で、スマホの所有が許可されています。精神的な異常を起こさないよう、外出は×〇博士の許可と同伴により、肌を露出しないという条件付きで許されます。

 また、週に1度SCP-005をDクラス職員に接触させる事が義務付けられています。


SCP-005は現在サイト-■に収容されています。


説明: SCP-005は20代前半の長袖長ズボンに手袋等で素肌を隠した日本人女性であり、身体に人間と相違はなく、食欲が無い為1日3回は食事を与えてください。SCP-005は現在外出時に、×〇博士や他職員の手伝いをしたりと財団に協力的です。

 SCP-005の異常性は夢の中で発揮され、睡眠中はいかなる攻撃やミーム汚染にも干渉されません。SCP-005は夢の中では食欲旺盛であり、触れた人物の夢に干渉することができます。夢ではSCP-005はどのような外見にもなる事ができ、出会った場合は、友好的に対話し夢から覚まさせてください。


補遺005-1: SCP-002は2■■■年、■■県■市を中心に10年以上前から不眠症患者が多発しており、調査の結果ここ3年の不眠症患者の半数が、不眠症になる前の夢で知らない人物に出会ったといい、SCPの可能性として本格的に調査が始まりました。

 そして、ある日聞き込みを行っていた財団職員が夢でSCP-005と出会い、交渉をした結果不眠症患者が減り2年後にSCP-005自ら収容されに来ました。


インタビュー1:

 自ら財団へ来た際のインタビュー記録です。

×〇博士:初めまして、いや。お久しぶりです、__さん。

SCP-005:あ、はい…えと、これは…

×〇博士:貴方の異常性について知りたくて、このような対応になってしまい申し訳ありません。

SCP-005:い、いえ。あの、仕方ない…と思います。

×〇博士:では、貴方の異常性について教えてもらえませんか?

SCP-005:えと、自覚したのは、小学…3年生くらいの時で、真っ暗な夢の中で、これくらいの…色々な大きさのブラックホールみたいなものが沢山あったんです。

――そういってSCP-005は手でサッカーボール程の大きさを作る。

×〇博士:成程、続けてください。

SCP-005:それで、なんだかとっても空腹感に駆られて…気が付いたら、それを食べてしまっていたんです。弾力?があって、食べたら歯形とかが残らずに食べた分ちょっと小さい球体になりました。味は…よくわからないですけど。

×〇博士:その球体が、夢だったんですか?

SCP-005:あ、はい。普通の夢と一緒に、時々その夢が出てきて…他の人の夢だというのは、中学生になってすぐの頃に気づきました。

×〇博士:どうやって気づいたのですか?

SCP-005:満腹になると、眠くなって現実で起きるんです。でも、その日は疲れてたから眠くならなくて、球体の中身って何だろうと思って触ったら、突然周囲の景色が変わったんです。それが球体の中にある他者の夢だというのは、友達を見つけてすぐに気づきました。

×〇博士:では、その友人も知ってるんですか?

SCP-005:…いいえ、誤魔化しました。友人は私が夢に出てきたと笑ってたけど、私はこれまで沢山の球体を食べました。それが全て誰かに繋がる夢だと気づいて、夢を食べていた私が、本当に人間なのか…と思って、少し怖くなったんです。

×〇博士:…大丈夫、貴方は人間です。

SCP-005:…戸籍上とか、家族が普通だから肉体はそうなんでしょう。

×〇博士:はい。それでも食べたんですよね?

SCP-005:…はい。食欲には勝てませんでした。夢に入れると気づいてから、個人的に研究して、皮膚で接触した人の夢だけ、あと他人の夢の中では外見を自由に変えられる事を知って、色んな人の夢に入って、知らない人の夢だけ食べました。

×〇博士:では、どうして私は食べなかったんですか?

SCP-005:…夢で会った人に、夢の本人が話しかけてくることも、一方的に話さないことも、責めたてもせずに事情を聴いて、交渉されたのは初めてだったんです。それに、表向きは社員として、条件付きで家族や友人と連絡とったり外出もよくて、定期的に食べられる許可を取った人を連れてきたりお金をくれるって…。

×〇博士:…それで食べる量を減らして、痩せてるんですか?

SCP-005:あ、いえ。これは元々で…なんか、現実でお腹が減らない分夢でお腹が減るっぽくて、心配させないように最低限しか食べないから痩せてて…。

×〇博士:成程、それで…雇用目的で来てくれたんですか?

SCP-005:あ、はい。時々貴方の夢を覘いたんですけど、夢って記憶を整理する時にも使われてて、悪い人じゃなさそうだし、えっと、SCPっていう、存在を…知っちゃって。色んな種類が居て、凄い、楽しそうだと思ったんです。

×〇博士:…では、私が覚えてる夢の大半には貴方が居たんですか?

SCP-005:かも、しれないです。私が夢に出ると、必ず覚えてるらしいですし。それで、こういうの知った人は記憶処理されるって知って、どうしようって思って…。正直、興味があったし、悪い人じゃなさそうだし、こういう異常なのの専門家みたいだから、調査の過程で直す方法が分かればいいなと思って…来ました。

<記録終了>

 SCP-005の要望により、触れなければ問題がない為肌を出さないようにしてなら財団の書類整理等簡単な手伝いをさせています。




※リア友の発言からの発想のため少々まとまってませんご了承くだしあ。

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