能無し性欲セクハラド変態ゴキブリ

数年前、まだ穂結ほゆが議員になる前の話である。ある時、穂結は1人の議員に呼び出された。その議員は、おっちゃんより少し下ではあったが、かなり上層部の人であった。その議員は、いつも穂結をニタニタ見つめていたり、際どいと思われる話題を振ってくるので、穂結は心の中で『ド変態』と呼んでいた。穂結は呼び出されたら行くしかないので、仕方なく指示された場所へ向かった。そこは会議室であった。扉が少し開いていて、中をそっと覗くとド変態しかいなかった。嫌な予感がして、スマホのボイスメモを起動してから中に入った。

「あ♡穂結ちゃ〜ん♡わざわざありがとうねぇ〜」

((うざい!))穂結はその感情を表に出さないようにして応答した。

「いえいえ。それでどのような御用でしょうか。」

ド変態はさらにニタニタして穂結の耳元で言う。

「穂結ちゃんさぁ、偉くなりたくなぁい?もしおじさんと何晩か遊んでくれたら、おじさんが穂結ちゃんのこと偉くしてあげる♡どぉ?」

穂結は心底呆れていた。

(このド変態、名前を『ド変態』じゃなくて『能無し性欲セクハラド変態ゴキブリ』かなんかに改名した方がいいな…)

なんて考えながらキッパリと言う。

「お断りします。そんなことして手に入れた地位など毛ほども嬉しくありません。」

それでも、能無し性欲セクハラド変態ゴキブリのニタニタは増す一方である。

「またまたぁ〜そんなこと言ってぇ〜」

穂結はイライラが限界になった。

「はぁー。そんなこと言って良いんですか?そんなこと言ってると誰かに足元すくわれますよ?例えばとかに。」

この言葉を聞いた能無し性欲セクハラド変態ゴキブリは、顔が面白いくらい真っ青になった。そして無言で出ていった。その後、このことをおっちゃんに報告した。

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