きっかけ

時は2020年のとある休日━━━━━━━

「痛いっ!痛い痛い痛い〜!!もうっ!なんでこんなに痛いんだぁ!」

叫びながら床をごろんごろんと転がっている少女━━━それは、オタクで腐女子という称号を持った、絶賛生理中の高校2年生、春野穂結はるのほゆであった。そう、彼女は生理痛の真っ只中である。人によって個人差はあるものの、穂結の場合は、数分に1回下っ腹を包丁かなんかで刺されているかのような鋭い痛みが襲う。ただ、これでもまだ軽い方なのである。周りにはお腹を下してしまったり、便秘になってしまったり、熱が出たりともっと大変な人もいる。生理中は女子は機嫌が悪くなるというのは知られているが、正直言って当たり前である。股の間から血をドロドロ垂れ流している人の機嫌が言い訳がない。それでも母は、

「社会に出たら生理痛は通用しないからなぁ…」

と、しみじみと語る。

「生理休暇ってもんは一応あるけど使うと信用がね〜」

穂結はそれを聞いてブチ切れた。

「はぁぁ?!なにそれ?!そんなん意味ないじゃんか!仕事中にぶっ倒れて業務かく乱させたほうがマシだっての?!頭おかしい!!」

それを聞いた母は苦笑いである。

「社会なんてそんなもんよ。嫌なら偉くなってどうにかするしかないんじゃない?」

と、冗談交じりで言う。


「だったら…


ヤケクソで叫んだ。

「いや、さすがにそこまでは目指さなくていいよ?ww」

と、笑う母。でもこのヤケクソの叫びが、日本の歴史を大きく変えることになるとは誰も知る由もないのであった━━━━━━━━


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