第22話終わりの始まりの終わり
ラブァー・モンスターとダークストーム・デビルを融合させ、ボルケーノウィング・レイジングを生み出したドルクス。それに対してアゴノは、一体どうやって対抗するというのか・・・?
『パワーストームの風に身を隠して、奇襲を狙う戦法か・・・。全く、バトルスキルにレパートリーがないな。』
ドルクスは広範囲のパルス攻撃で、アゴノと下僕たちの位置を特定した。
『お前ら、一気に攻めろ!!』
ドルクスの下部たちがアゴノの下僕たちを攻撃しにかかった。
しかしアゴノの狙いはドルクスにはなく、ボルケーノウィング・レイジングにあった。
「ドラゴンツイスト・タイラントスクリュー!」
強烈な拳の連続攻撃がきまった。
「ウガーー、ギャワオーーッ!!」
「やはりこれくらいでは倒れないか・・。」
すると突然、刹那の悲鳴が聞こえた。
「ちょっと、何すんのよ!!離しなさいよ!!」
「話を聞いてくれ刹那、アゴノのところへ来ないか?」
来馬は刹那の肩を持って、アゴノのところへ強く来るように勧誘している。
『来馬め・・・、やはり裏切り者は始末しなければな・・・。』
「来馬、離れろ!!来るぞ!!」
ドルクスは来馬を攻撃しに向かった、そして来馬の背後から攻撃しようとした時だった。
「ナイル一閃!!」
『ぐわっ・・・!!』
ドルクスの左からアリゲーターナイトが攻撃をした、思わぬ急襲にドルクスは倒れこみ、それを見た刹那と来馬は驚きで顔を青くした。
『くそっ、おれとしたことが・・・。』
「アゴノ様、今です!」
アゴノはドルクスに向かって攻撃しようとしたが、ボルケーノウィング・レイジングに阻まれて攻撃できない。
その隙にドルクスは傷を受けた体で、ボルケーノウィング・レイジングの上へ飛び乗った。
「ドルクス、大丈夫なの!?」
『ああ、問題ない。こうなったら、ボルケーノウィング・レイジングの力を見せつけてやる!!』
ドルクスは自らの力の半分をボルケーノウィング・レイジングに与えた。
『さあ、ボルケーノウィング・レイジング!アゴノたちを潰せ!!』
「そう簡単にいかん!!」
アゴノは果敢に挑んでいったが、やはりパワーアップしているボルケーノウィング・レイジングを圧倒することはできず、逆にアゴノが圧倒されていた。
「ぐはっ・・・、なんてパワーだ・・・。」
『どうした?もっとパワフルに来いよ!』
アゴノはそれでも挑んでいく。
「アゴノ様、加勢いたします。」
「こりゃ、倒しがいがある化け物だぜ!」
アリゲーターナイトとグリムディーンがアゴノのサポートに回った。
しかしそれでも、ボルケーノウィング・レイジングにはまだまだ叶わなかった。
「やっぱり、強すぎる・・・。どうすればいいんだ・・・?」
「アゴノくん!私に任せてくれ!!」
アゴノの通信機から、教授の声が聞こえた。
「教授、何か策があるのですか?」
「あの融合体を分析してみたところ、どうやら十五分後に自然消滅してしまうんだ。おそらくあの融合体は、ラブァー・モンスターの溢れ出すマグマの力に毒されているみたい。
だから私の発明で十五分間の足止めができれば、あいつは消滅する。」
「わかった、作戦を始めてくれ!」
「ありがとう、任せてくれ!」
通信を切ったアゴノは、来馬とデカンクラッシュにテレパシー通信をいれた。
「これより教授が作戦を決行する、二人には教授の援護を任せる。」
「わかりました!」
「承知した!!」
そしてオサガメが浮上し、来馬とデカンクラッシュがオサガメの上に乗った。
「瞬間絶対零度光線、発射!!」
オサガメの背中から光線銃が出て、光線を放った。
光線はボルケーノウィング・レイジングの左足元に命中、ボルケーノウィング・レイジングは足が動かせなくなった。
「ギャーッ、グワガハーーーーッ!」
「あっ、あれは海洋縦断潜水艇オサガメだ!
あいつらこしゃくな真似を!!あのウミガメをだれか沈めろ!!」
「ついでに右足も氷漬けだ!!」
教授は右足元にも光線を放ち、ボルケーノウィング・レイジングの動きを完封した。
「よし、行くぞ!!」
『くそっ、早く氷を溶かさないと・・・。』
だがアゴノたちの攻めは速く、ボルケーノウィング・レイジングはダメージを受けている。ドルクスはアゴノたちの相手をするだけで精一杯だ。
そして五分が経過したころ、ボルケーノウィング・レイジングに異変が起きた。
「ガグワァ、ガガガ・・・。」
ボルケーノウィング・レイジングの体からマグマが滴り落ちて、体が激しくけいれんしだした。
『これはどうした?一体、何が起きているんだ?』
「ドルクスも気づいたか、そいつがとんだ失敗作だったということに。」
『どういうことだ!!』
「確かにボルケーノウィング・レイジングはきょうりょくな力を持っていた、しかし融合素材として使ったラブァー・モンスターの溶岩がその身を少しずつ蝕んでいた。これがお前の誤算だった、ボルケーノウィング・レイジングの命は後七分半、それまで足止めをすればボルケーノウィング・レイジングは自然消滅する。」
『何てことだ・・・、おれとしたことがこんな事実を見逃していたとは・・・。』
ドルクスはショックを受け狼狽した。
「ちょっと、どうするのよ・・・。このままだと、また私たちの負けになってしまうじゃないの!!あんたのこと、アゴノに対抗できると思って仲間にしたんだけど、こんなんじゃがっかりだわ。」
刹那が呆れ口調で言った、ドルクスはそれが癪にさわったようだが今は怒っている場合ではない。
『こうなったら、ボルケーノウィング・レイジングが力尽きる前に最大パワーを出して、お前たちを倒してやる!!最大パワーを見せて見ろ、ボルケーノウィング・レイジング!!』
「ヴァッーーーーーー、ウギャワーーーーッ!!」
ボルケーノウィング・レイジングのエネルギーが高まり、滴り落ちる溶岩も量が増えた。
「一気に仕掛けるか・・・、それならこっちも本気で行くぞ。アリゲーター、グリムディーン!融合の時間だ。」
「承知しました!」
「一気に決めるぜ!!」
アゴノは懐から「パワーストーム・フュージョン」と書かれたカードを取り出した。
嵐の中にアリゲーターナイトとグリムディーンが入っていき、一つの命となる。
「現れろ、ナイルディーパー・ゲーターナイト!!」
そして嵐の中から、漆黒の鎧を装備したドラゴンナイトが現れた。
『アゴノもフュージョンを・・・、出し惜しみしやがって・・・。』
「ここぞという時に使っただけだよ。」
『絶対に焼き払ってやる!!』
そしてボルケーノウィング・レイジングは、溶岩の巨大な玉を作り出して、アゴノに向かって放った。
『ダーク・コアヘル!!』
「パワーストーム・バースト!!」
「ブラックドラゴン・ディーパー!!」
アゴノとナイルディーパーが巨大な玉と激突した。
「ぐぐぐ・・・、思った以上に消耗してしまった・・・。」
「アゴノ様・・・。」
『ハハハ、お前もパワー切れのようだな。そうと決まれば、オレも行くぜ。ダークパワーストーム・バースト!!』
そこへドルクスがさらにだめ押しの攻撃をした、アゴノとナイルディーパーはさらに追い詰めた。
「くそっ、私もここまでか・・・。」
『アゴノ・・・、もう少しだ。』
「アースライゴン・・・、そうだな。」
アースライゴンがアゴノに力を与えた、そのおかげで少し押し返すことができた。
『くそっ、ここで粘りを見せるかアゴノ!』
そして先に力尽きたのは、ボルケーノウィング・レイジングだった。
「ヴッワガーーーーッ、バババ・・・。」
ボルケーノウィング・レイジングの全身がドロドロに溶けて、海中へと落ちていった。
そして攻撃の押し合いは均衡し、互いに相討ちになった。
「ふぅ・・・、ボルケーノウィング・レイジングは消滅した。さあ、まだやるか?」
『くそっ・・・、撤収だ!!』
「アゴノ・・・、来馬を下僕にしたこと。忘れないからね!絶対に仕返ししてやる!」
ドルクスたちは撤収し、アゴノたちの勝利になった。
そして地球の終わりの始まりは、こうして終わったのだった。
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