自分が自分でなくなるまで

しらす

第1話

これは自分が自分でなくなるまでの8年間を簡潔にした実話である。

つまらないと思うが少し付き合っていただきたい。

私にとっては普通と思っても周りからすれば普通ではないという在り来りなすれ違いからの終わりの始まり。

突然だが君達にとって人間関係とはなんだろうか。

家族・友達・恋人・上司・部下などこの世には沢山の関係性がある。

ここで私を終わらせたのは友達だ。

小学4年生の春私は幼なじみとは別のクラスになり1年生以来の3人と久しぶりにクラスが一緒になった。

正直私は嬉しかった。1人だけ遠い保育園から入学して誰も知らない教室でひとりで心細かった私と真っ先に仲良くしてくれたのはこの3人だったから。

この時の私はこの3人と家族のせいで自分が崩壊することを知る由もなかった。

新学年になり数週間はこれといって問題もなくみんなの思うような普通の学校生活を送っていた。

ある日3人のうちの1人、実名を出すとまずいので岩田とでもしておこう。

この岩田が私をはじめて放課後遊ぼうと誘ってくれたのから。

この時はまだ私にとってこの3人は友達だった。

自分がそう思っているだけだったのかもしれないけど。

先に言っておく。私はこの時まだ人間関係というものがあまり分かってなく子供なりの考え方をしていた。

私は嬉しくなり二つ返事で行くことにした。

私は約束した場所に行くと誰もいなかった。

集合時間ぴったりに到着たのだがこの時私は何故か「早く来すぎたんだ。来るまで待っていよう」という考えに至った。

「集合時間は3時半だよ」と岩田に言われていたので私も「5時までには帰らないといけないからそれまで遊ぼう」と私は岩田に言った。

だからすぐに帰るのも申し訳ないので門限の10分前まで待つことにした。

この時私は親戚に買ってもらったゲームをして待っていた。

4時半くらいになりやっと来た岩田達は不機嫌そうな顔をしていた「何かあった?」と聞くと「別に」と言われ後ろにいた2人は何故かニヤニヤしていて不思議に思った。

今ならこの2人が陰で岩田に私に関する何か嘘をついていたという事がすぐに分かる。

自分が自分でなくなってやっと気付いたことだ。

その次の日学校で私は心配になり「昨日何かあった?」と岩田の席に行き聞いた。

しかし岩田は黙ったままだ、その斜め後ろの席であの2人はまた私を見てニヤついていた。

昼休み私は図書室に行こうと思い教室を出た。

それからすぐに岩田達もはしゃぎながら教室を出てきて廊下で遊んでいた。

私の教室から図書室まではそこまで遠くないのでゆっくり歩いてった。

その時後ろから「スライディング!」と岩田が叫びながら私の足を蹴り私はコケた。

私は自分のことよりも友達である岩田が怪我をしてないか心配し「怪我してない?大丈夫?」と聞いた。

すると岩田は「おもんな」と言って立ち去って行った。

ここで私は何故か「自分が昨日待ってるだけだったせいで不機嫌にさせたのでは」と思い図書室に行くのは諦め岩田に謝りに行った。

「昨日は待ってるだけでごめん」そう言うと岩田は「あっそ、それで?」と言われ私は答えに困りただ立ち尽くすだけだった。

すると後ろからランドセルが飛んできて私の頭にあたって私は倒れたこの時岩田達は嬉しそうに笑っていたから安心しその時私は「私が不幸になれば岩田達は喜んでくれる。友達のままでいれる」と思ったのである。

ここから自分が自分でなくなるまでの生活が始まって行った。

1学期はまだこの状態が続いていただけなのでまだいい。

しかしエスカレートしていったのは2学期の後半、昼休み彼らに呼ばれグラウンドで遊ぶことになり階段を降り下足箱に行っていた。

その時だった。

岩田が後ろから押して来て私は階段で転げ落ち唇から血が出た。

そして彼らは笑って「汚ね」といい笑いながら立ち去って私は1人になり転けてすぐだったので痛みもあり立てずにただそこで声を押し殺して泣いていた。

すると担任が来て慌てた様子で「大丈夫?!何があったの?!」と心配そうにしてくれて私は岩田達のことは黙って転けてしまったことだけを伝え保護者を呼ばれ病院に行った。

この時まだ親は私の理解者でいてくれていたので仲が良かった。

病院で縫ってもらいレントゲンを撮ってもらい異常がないことがわかり学校に戻った。

するとやはり岩田達は私を見てニヤニヤしながら近寄って来た。

そして岩田達に「大丈夫?何かあった?」とわざとらしく聞かれ「転けた」と言うと岩田達は「ダサ」といい笑いながら戻って行った。

ここで私は彼らの気分を害すことはやめてご機嫌取りになって卒業までやり過ごそうと決めた。

今の私なら分かる。あの時担任にすぐ転けさせられたことを言っておけばよかったと。

ご機嫌取りをやっていたこともあり予想通り自分が自分でなくなっていき気がつけば5年生になっていた。

5年の時は彼らは別のクラスになっていたので久しぶりに普通の学校生活を送れると思っていた。

しかしご機嫌取りだけをやっていたので人間関係を学ぶことが人よりも遅れていたので誰とも仲良くできず何もないまま6年生になってしまった。

不眠症になったのはこの時からだったのだろうか。夜眠れなくなりあるアニメの再放送をテレビでやっていて面白くて見てるとやっぱ子供は単純だ、すぐにアニメが好きになり唯一の心の拠り所となった。

しかしそのアニメは深夜アニメであり私はそれを知らなかった。

新学年になりクラスを確認して私は絶望した。

あの3人とまた同じクラスになってしまった。

また彼らの舎弟的な生活が始まったのだ。

私はこの時はじめて「教室にいるのが辛い」と担任に言えてその時から特定の教科を支援学級で勉強させてもらえることになった。

その事は岩田には黙っていた。

ある日岩田は休み二人が「今までごめん」と急に謝ってきた。

私は謝られたら許すのは当然のことだと思い許し支援学級で勉強させてもらってること、岩田の嫌がらせが辛いことを話した。

次の日岩田が登校して来て急に腹パンをしてきた。

理解の追いつかないまま岩田を見てると後ろからあの2人がニヤニヤしながら見てきてることに気が付いた。

あの2人に裏切られたことはすぐに分かった。

それからもいじめは続き辛かった。

しばらくして修学旅行の部屋の班を決めることになった。

私はあの3人とだけは嫌だと思い他の人に同じ班にしてもらおうとしたが周りはすぐに班が決まっていたので私はその場に立ち尽くした。

そうすると岩田が「俺らの班来いよ!」とニコニコしながら言って担任もいじめられてることを知らないので「よかったね!班が決まって!」といい手を引っ張り岩田のところへ連れていかれた。

修学旅行が心から楽しめなかったのは言うまでもない。

修学旅行も終わりあとは卒業だけ。

卒業すれば彼らとは関わらなくて済むと思いもう少しの辛抱だと自分に言い聞かせやっと卒業した。

この時岩田の母親から「ごめんね、仲良くしてもらったのに中学別なの」と言われ「そうなんですか…残念です」と言ったが心の中ではすごく嬉しかった。

やっと解放される、そう思ってた。

しかしあの2人とは中学も同じでここからは殴る蹴るなどの物理的ダメージより精神的ダメージを負ういじめが始まるのであった。

そんなこと知る由もなかった。

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