第三話 初クエスト!攻略一ノ瀬柚姫

『攻略クエスト1(柚姫) 一週間に心を堕とせ』



「はぁぁあ?!!」

突然の理解しがたい"クエスト"といわれるそれに驚くと同時に呆れてしまう。

無理もない。たった今"死"という難から逃れたばかりなのだから。天海蒼は、そんな理解しがたい状況を何とか飲み込みしかたないと言い聞かせる。

だがその中で1つの疑問が生まれた。

そう。クエストの中の"心を堕とせ"という文字とクエスト1という表記の仕方についてだ。

仮に心を堕とすにしてもそれでまだ"1"という段階であることがどうしても引っ掛かる。

"ハーレム"と書かれるくらいなのだから色々な女性と関係を持つことは用意に想像できた。天海蒼一人そんな妄想をして恥ずかしがっていた。

「蒼?どうしたの?」

「いや…何でもない…」

顔を真っ赤にしながら答える天海蒼そんな状態で何でもないと言われても信じられるわけもなく当然のように問い詰められる。

「今日の蒼なんか変だよ?」

「ねぇ…何か私に隠してるよね?」

「いや?そんなことないよ?(棒)」

この状況で嘘を完璧につけるわけがないのだがクエストのことを言っても信じてもらえるわけがないと分かっているので決して口を割ろうとはしない。

「ねぇ蒼?流石に何年も幼馴染みやってなくてもその反応は嘘だって分かるよ?」

「だから違っ…」

「蒼?」

顔は笑っているが瞳の奥の柚姫の心が笑っているとは到底思えない程の圧のある言葉で口を割らせようとする。だが口を割るわけがなっ…

「あぁーもぉ!何か変な画面が柚姫の心を堕とせとか言ってんだよ!」

「あっやべ」

そう。割るのである。天海蒼は兎に角押しに弱い、自分の知られたくない秘密だとしても3分粘れば聞き出せる程精神が弱い。

「いや…今のは言葉のあやって言うか何て言うか…ね?」

「ね?じゃないよ!どういうこと?私の心を堕とすって!」

「いや…そのままの意味だと思う、恋させろって事だろ…」

そう言うと柚姫は少し悲しみと怒りが混ざったかのような声で…

「はぁ?!蒼、あんたそんな命令にしたがって私を自分のものにするの?」

「そんな変な動機がないと私を女ともみてくれてなかったの?!」

「いや…違っ…」

「うるさい!言い訳はいいから帰って!」

「おい…柚姫ほんとにそんなんじゃないって」

「いいから…帰って…」

今にも泣き出してしまいそうな程顔を赤くした柚姫には今、蒼が何を言ったところで状況が悪化するだけ。蒼そう思い

「ごめん…」

そう言い残して家を出た






ーー帰宅後。夜

「はぁぁ…どうしろっていうだよ…。

唯一望みがあった柚姫でさえあれだ、もう攻略何てできっこないだろ…」

「っていうか、これ一週間以内に攻略できなかったらどうなんだ?まさか死ぬとかじゃないよな?!」

確実というわけではなかったが十二分に可能性がある。そして今蒼は"やり直し"が一週間使えない、加えて××に殺されるという項目が不確定なのだ。そんな状態で安心などしていられるわけもなく…

「よしっ!明日学校で謝ろうっ!」

そうそう強く意気込み、眠りについた。




         三終わり



             つづく

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Redo Strategy~死から目覚めた俺に課せられたのはハーレム攻略とかいう謎のクエストでした~ @kaori123456

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