第40話 昭和的別れと令和の別れ

 暫くの間、遠くへ行く事になった人がいて(・・・・帰って来られるのかな・・・・(・・;))。


「お見送りに行こうか?」


 と、冗談半分、本気半分で言ってみたりして。

 結局、行かなかったんだけど。

 当人曰く


「そんな遠くに行く訳でもないし。ちょいちょい帰って来るし」


 とのことで。


 でね。

 その時に、所謂『別れの場面』の話になったのですよ。


 ≪昭和的別れ≫

 わたし:動き出す電車を追いかけて走り出す(いや、走らないし)

 相手:合わせるように、後ろの車両に向かって走り出す(新幹線でそんなことできんだろ)

 わたし:電車のスピードに負けて、ついに転ぶ(勝手に転ばせるんじゃないっ!)

 相手:転ぶわたしを遠ざかる電車から、ただ見つめるしかない(もう豆粒状態だと思うが)

 わたし:遠ざかる電車を見つめ、手を伸ばす。側には脱げたハイヒールが転がっている(いや、ハイヒールなんて履かんし)



 ≪令和的別れ≫

 わたし:ドアが閉まって走り出した電車を、とりあえず相手の姿が見えなくなるまでその場で見送る。そして帰る

 相手:わたしが見えなくなるまでドアの側にいて、見えなくなったら席に戻る

 わたし:Line『どれくらいで着くの~?』

 相手:缶ビールをプシュッとしながらLine『3時間くらいかな?』

 わたし:Line『じゃ、ひと眠りできるね!』

 相手:Line『いや、飲んでる!』


 なんでしょ。

 時代によって、別れの場面も様変わりしましたねぇ(笑)

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