笑える(かもしれない)話 2

平 遊

第1話 電話の取次ぎ

もうだいぶ前の話。

私の父が、用があって叔父(父の弟)の職場へ電話をかけた。


『どちら様ですか?』


と問われた父は、こう答えたという。


『平の兄なんですけど』


すると。

電話は保留になることなく、電話に出た担当者が近くに居たと思われる叔父に、取り次ぐ声が聞こえてきたと言う。


『平さーん、【さん】からお電話です』


・・・・誰だよ、【】て。



それからほどなくして、今度は母が、同じように叔父の職場へ電話をかけた。


『どちら様ですか?』


と問われた母は、こう答えたという。


『平の義姉あねなんですけど』


すると。

やはり電話は保留になることなく、電話に出た担当者が近くに居たと思われる叔父に、取り次ぐ声が聞こえてきたと言う。


『平さーん、【アネさん】からお電話です』


・・・・平家は、極道じゃないぞ?


後で話を聞いたところによると、電話に出たのはアルバイトの大学生だったとのこと。

大丈夫だろうか、この大学生。

一体この後、どんな社会人になったのだろうか・・・・


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