第3話 忍ばない忍び見参!!
「あの忍者の格好してる子。同じクラスの薄井くんだ」
チヨちゃんの爆弾発言に忍者は思いっきり盛大に転けた。
うわ、痛そう。
寝転んだまま、クルリと顔だけを此方に向けると忍者は叫んだ。
「なななななな、いきなりなんでござるか!? 初対面で正体を言うのは反則でござるぞ!!」
「やっぱり、薄井くんなのね」
「ハッ! しまった~~~~~~!!!!!! でござる!! 忍びの者である拙者自ら、正体を明かしてしまうとは!!!!!!」
愉快な人だな~。
ん? 薄井、薄井・・・・・・。
思い出した!!
「貴方、もしかして、薄井カゲ丸!! ・・・・・・くん?」
そうだ、この忍者、テノヒラロボレギュラーキャラの一人、薄井カゲ丸だ!!
漫画、アニメ共に中盤で登場するキャラ。
確か、大麓マオを倒して天狗になっていた溫井ホノオの前に現れ、挑戦状を叩きつける展開で登場。
その後、当然、バトルに。
だが、天狗になっていた溫井ホノオは薄井カゲ丸に苦戦、ギリギリ引き分けに終わる。
そして、溫井ホノオは自分が天狗になっていた事を自覚し、特訓を開始、その後の大会の決勝戦で再び対戦、見事、溫井ホノオは勝利を治めたのだった。
脳内で原作の薄井カゲ丸を思い出しながら、今、目の前にいる薄井カゲ丸を見る。
外見は白髪の紅い目、これは外見通りだ。
だけど。
「おおおおおお、お主まで拙者の名前を!! 何処でバレたでごさるか!?」
こんなにコミカルな性格だったけ?
ござる口調なのは原作通りだけど、原作は冷静沈着、闇夜に紛れる忍びって感じだったけど。
この世界の薄井カゲ丸は冷静沈着をどこ置いてったって感じだ。
「あんさん、普通は其処で冷静に只の忍びとか言う所じゃあらへんの?」
「ボクもフウガくんの言うとおりだと思うよ。そんなに慌てたら正体なんて、すぐバレるよ」
「グハァッ!!!!!!」
ここで雪野マフユと陣フウガの追撃!!
余りのショックに薄井カゲ丸はダウン!!
これは決まった~!!!!!!
「うううううう、い、いかん!! ようやく巡り巡った機会だと言うのに!! 此処でくたばっては本末転倒!!」
「薄井くんもこの大会に出るの?」
「勿論でござる!! 抽選に見事に当たり、アサシンと世界中のバトラーから称えられる大麓マオ殿に挑むため、いや、アサシンの称号を奪うために!!!!!!」
「ハァッ!? マオさんから!?」
「さよう! アサシンとは忍者の拙者にこそ相応しい称号!! 大麓マオ殿に見事勝利を治めたあかつきに頂くつもりでござる!!」
言い終わると、またア~ハッハッハッハ!! と高笑いをする。
確かにアサシンって、暗殺者って意味だから忍者にピッタリだと思うけど、この世界の薄井カゲ丸には相応しくないような気が・・・・・・。
でも、今のところ、実力を未知数。
原作通りの性格じゃなくても、テノヒラロボの実力は原作通りかもしれない。
気を抜いたら、また、陣ライガ戦の時と同じ状況になるかもしれない、気を抜いたらダメだ。
今回の大会、絶対に優勝して、大麓マオの挑戦権、あと父さんと母さんの結婚記念日のプレゼントに水族館一日貸し切り券を絶対に手に入れるんだ!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます