第35話 言葉にしてもらわないとわからない奴

「そうだよ。しゃべっててふっと思うだろうがよ」


「なんて?」


「いや、ほっといってっていうかさ、まぁオレは仕事が忙しいって言い訳があるからあれだけど、ねぇ、結局しののことほったらかしてるわけだからさ」


「ん?」


「お前のことを放っておいてるわけだからさ」


「え、え、え、どんな時に私のことぱっと思うの?言ってみてちょっと」


「どんな時?wどんな時っていきなり言われてもわかんないけど、ふっと思う時あるよ。しの、どうしてるかなーとか。普通だと思うよ。どんな時って別にシチュエーションは関係ないよ」


「福岡とかでも?」


「そりゃそうだろ。ふっと思って、あ、しの今日電話しなかったなーとか」


「へー」


「電話しようとしてて寝ちゃったりとかさ、してなかったなーとか。それは普通にあるだろお前」


「ほんと?私その言葉だけで1週間待てるわ」


「いや、ほんと?って普通だろそれは。それは当たり前の話でしょ」


「でも全然、全然、大丈夫。私さすがに学習能力ありますんで」


「で何?」


「ん?」


「学習能力あるから何?」


「いや、だからさすがに、出会って1年経つけどね、もうわかってきてるからおにいちゃんのことは大分」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る