第34話 食い気味

「しの、こうしてっていうか、『しの、悪りぃな』ってそこはある」


「悪いなって思うの?」


「当たり前だろ、おまえ」


「そう書いてあった。そう思わせちゃダメなんだって」


「いやそりゃ思うだろ、普通におまえw」


「あはははは」


「おまえバカじゃないの?そんな本捨てちまえ、アホ」


「あはははは」


「そんな本捨てちまえって」


「捨てちまえってwwwあはははは」


「はぁ?」


「おなか痛いwおもしろ~いw」


「オレが面白いよ」


「面白いwほんと面白いよ、おにいちゃんって」


「捨てちまえってほんと」


「ふふふふw」


「わけのわかんない本は捨てちまえ」


「ふははははwほんと?だって思わない?ほんと?悪いなって思わせちゃったとするじゃん。彼氏、とかに。彼氏にさ。あ、オレがかまってあげられなくて可哀想だなー、悪いなーって思って、でそれでだったらオレなんかいない方がいいよなーってなっちゃって結局それでなんか別れるみたいになったら、なんだっけ本末転倒ってやつ?」


「本末転倒ね」


「うんうん。だから、そうなっちゃうと」


「それはだって考えなきゃ、考えるのが当たり前だしさ」


「うん」


「だからそれが実行するかは別として、オレは考えるよ」


「ほんとにー!?」


「当たり前だろ、そんなのおまえ」


「どうやって私のこと考えるの?」


「ん?」


「え?どういう時私のこと考えるの?あ、今しゃべってたりして?」





  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る