ケンソーク家
ケンソーク領地内では
アーノルド視点
息子のアンルシアが寝付いたことをメイドから聞いて、そのメイドを下がらせた。
契約を結んだホーノが居なくなったと聞いて、アンルシアはずっと泣いていた。でも、流石にしんどくなって寝れたようだ。
娘のソユアは心を乱すのはいけないこと。と、泣かなかった。まだ十二歳だ。責任を感じるには早すぎるんじゃないか?心配になってしまう。
俺はアーノルド・ライフエール・ケンソーク。
今は、ソユアが聖女とわかり、子供の体には多すぎる魔力を安定させるために今は、ケンソーク領地の一つに来ていた。
深い森の中に立っているこの城は森の中には異様すぎて浮いている。こんなに大きくなくても、暮らせるというのに。
部屋は余りまくっていて、もったいない。なぜ先祖様はこんなところに城を立てようと思ったのだ。
俺は机に向かって、ため息をつく。椅子を引いて、無駄に景色のいい外を眺めた。
ピーッ!と警戒機が音を出す。またか。そう思って警戒機を静かに眺める。慌てることではない。
どういうことだ。真っ赤に光って、繰り返し点滅をしている。音も鳴り止まない。
こんなことは今までになかった。トラップが発動するから領地に入ってきたものは大体がすぐに捕らえられて、警戒機は鳴り止む。
第一、赤に光ったことはない。最低でも、青だ。この辺りには弱い生き物しか居ない。だから、赤に光るなんてありえない。
「ノルド様。トラップの範囲を広めてみては・・・」
「そうするか・・・おい、エッカルトを呼べ」
執事のヨリックが提案をしてきたので、それに乗って範囲を広めることにした。
エッカルトとはこの広範囲にトラップを仕掛けている本人だ。まだ23歳なのにすごい魔法を使う。
年下だが、尊敬しかない。
「何でしょう、アーノルド様」
恭しく頭を下げながら言う、エッカルト。
「すまないが、少しだけトラップの範囲を広めてくれないか?警戒機が酷い反応を示しているんだ」
と、視線だけで警戒機をさす。
「・・・そうですか。頑張ってみます。魔力切れになっても怒らないでくださいね?」
「いつもすまない」
「謝りすぎですよ。ケンソーク家としての威厳を持ってください」
エッカルトと話すときはあまり気を使わないでいいから、気が楽だ。エッカルトが部屋を出ると、ブオッと少し特殊な音が聞こえた。さっそく、トラップの範囲を広めてくれたのだろう。
「ノルド様、神獣、聖獣、幻獣がいるようです」
部下から話を聞いたのか、ヨリックは淡々と告げた。
神獣だけでも珍しいのに、聖獣、幻獣とは・・・最悪以外の何物でもない。
「あなた!獣さんがとても怒っているの。どうしたのかしら!?」
妻のソンアリーが部屋に駆け込んできた。彼女は、動物の声が聞こえるという、特殊な一族から生まれている。
なので、彼女も勿論、動物たちの声が聞こえる。そして、彼女は力が強く、神聖な動物の声も聞こえると言う。
「神獣、聖獣、幻獣が現れているんだ。もう少しで収まるだろうから」
「何を言っているの!怒りが増えたわ!!早く解決してあげないと!どこにいるの!?連れて行って」
彼女は真剣な顔で俺に詰め寄ってきた。こういうときのソンアリーには敵わない。
「ヨリック、外へ出る。ここから一番近い場所にいる獣はどこだ?」
「東西の方ですね。あ、他の獣も2体ずつ東西の方に近寄っていっています」
「そうか」
東西の方には一番人が寄り付かない。敵が来やすいからだ。トラップがあるから別に安心してもいいのに。
人が寄り付かないから、俺にとっての好きな場所でもある。
長い廊下を急いで歩いていると、ソユアが心配そうに扉から少しだけ身を出し、伺ってきた。
「お父様、私も行きたい。誰かが話しかけてくるの。とても悲しそうな声で・・・」
説明するソユアの顔はとても悲しそうで、断りきれなかった。
「・・・いくぞ」
「!!ありがとうございます!!」
「女の人からの頼みは断れないんですねえ・・・」
ヨリックが茶々を入れてきたが、無視をする。
ソユアはまだ女の子だ。女の人ではない。
妻の頼みを断れないのは普通だろう。
皆を風邪魔法でふわっと持ち上げ、素早く移動する。何が起こっているんだろうか・・・。
ーーーーーーーー
作者から
いきなり、新キャラばっかですみません。
新キャラクターまとめ⬇
アーノルド・ライフエール・ケンソーク 父
ソンアリー・ライフエール・ケンソーク 母 動物たちの声を聞くことが可能
ソユア・ライフエール・ケンソーク 姉 12歳 聖女
アンルシア・ライフエール・ケンソーク 弟
ヨリック 執事 アーノルドのことはノルド様呼び
エッカルト トラップを仕掛けている人
このあとも少し、アーノルド視点が続きます。千月好きの人、すみません。残酷すぎましたかね・・・?けれど、皆さん安心していてください。
ネタバレ大好きだけど、出来ない・・・::>_<::
いつかは設定集書きたい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます