第11話

「そうだったんだ...」


「はい、、俺、とことんツイてないっす」


ま、でも。


山野井さんが眼鏡とって、酒が入ると人が変わって

可愛くなる、しかも、

肩を抱けて歩けてるから、俺ってば

実はラッキーだな、なんて考えてた。この時。


でもな。


更に俺は幸運に恵まれることになるなんて

思いもよらなかった。


「家来る?こっからならもう目の前。

ほら、ここ、このマンション。

お風呂貸してあげよっか?」


「え」


「遠慮しなくていいのよ。

銭湯は多分だけど、もうそろそろ閉まる時間帯よ」


「汗流したいよね?

お湯に浸かりたいよね?明日、出社しなきゃだしさ...?」

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