第8話

申し遅れたが、俺の名前は山吹シンジ。現在25歳。大手家具メーカーの経理課にいたけど、

最近、商品企画課に配属されて、仕事ができないけど、高学歴な上司にこき使われてる。


「え、あの、なんで、俺の名前

知ってんすか??」


「バカね...。

私よ、私!山野井ユーコよ!!」


「え、山野井さん!?

こんな美人だったんですか!?」


俺の心の声が思わず漏れた。

目の前にある美人顔が、更に真っ赤になった瞬間だった。


「やだ...!嬉しいこと言ってくれるじゃないの...」


俺が今、彼女の背中を支えているわけだからして。俺のこと

上目遣いで見つめてるんだが。

あーやべ。完全に俺、ノックアウト。

眼鏡かけてるときも綺麗な感じは少なからずしたが。

裸眼だと、更にパワーアップした件!


さてさて。

山野井さん。


営業部長だった。大卒で

商品企画課にいたんだけど。

数々のヒット商品を生み出し、会社の売り上げに莫大に貢献して。

その地位に27歳の若さで昇り詰めたひと。


普段は眼鏡でキツイ感じなのに。

みんなに塩対応なひとなのに。


なんか、もしかして、

眼鏡なくして、酒が少し入ったせいなのか、

なんか、別人な感じだぞ。

話し方とか、普段は、

マシンガントークなのに。

今はスローで、甘ったるい感じで。

俺は面食らった。







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