りかの学習帳は、四季折々のスーパーロボット。

大創 淳

第一章 ――初陣。

第一回 ザコキャラの心意気。


 ――目覚めると、そこは青くて暗い場所。モニターに映っていた。



 まるで水族館みたいな、その光景? 或いは海の藻屑ともいえる僕の身体? そして僕が動かしている機体……? 何でか浮かぶの、先程までの記憶たち、メモリーズ。


 これは夢?


 ううん、夢ならもう覚めていると思うの。目覚めているから。


 僕が弾いてきたのはキーボード。それから掴んでいるマウス。この機体を動かしているのは、その二つ。ならば僕は書き続けなければ……エッセイが、この機体の動力なら。


 モニターには、並ぶ文字。


 文字たちが奏でるエピソードこそが、力となる『四季折々しきおりおり』という名のロボットだ。それはそれはスーパーロボットという類よりも、リアルロボットというジャンルだ。


 僕の大好きなプラモデル、バンプラのように、宇宙服がモチーフのMSという種類。ならばこの機体の種類はMM。今は、人型形態で再起動を試みるその最中だ。パンプラの世界は宇宙だけど、僕は海にかけた。色はピンクで、丸みを帯びたフォルム。動力パイプも露出している旧式で、量産型でもザコキャラ。一撃で、直撃を食らって気絶していた。


 腕は底辺でも、

 心意気だけは負けないほどの、厚かましさ。


 それがこの僕、星野ほしの梨花りかというキャラクターだ。一人称は『僕』で、所謂ボクッ娘。このロボットのデザインと、これから行われるある程度の設定は、とある小説サイトで同じエッセイ作家でもある僕の双子の妹、星野千佳ちかのアイディアだ。


 ある日突然、浮かび上がったという……


 ならば遺跡。この『四季折々』という名のMMは、海に埋もれていた古代遺跡。金属とは異なる装甲。バンプラと同じプラスチックが素材。一分の一スケールのバンプラということになるの。八・二二メートルという全長。重量は秘密だそうだ。武器は今、手に握られているもりで、目は一つ目のモノアイがメインカメラ。コクピットはお腹の中にある。



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