第21話

恵梨香はそこまで驚かなかった。彼女は、 確かに千鶴子ならそうだとしてもおかしくはないと言った。             あの覗いていた時の顔がとても険悪で、  物 凄く恐ろしい目をしていたと言った。

“Angelin,you have to be very careful.”

”Yeah, I know.“                     アンジェリンはそう答えた。       その後のある日、千鶴子が物凄く興奮しながらアンジェリンのバスルームのドアを叩いた。                  「アンジェリン、お願い、開けて?!アン ジェリン、ドアを開けてよ?!」     「嫌だよ!又あんな事になったら大変だからね。」                 「何もしないったらぁ!!とにかく大変なんだからぁ!!話を聞いてよ?!」     「嫌だよ。私は話なんて無いから。」    「ねー、お願いだからぁ?!私、もうアン ジェリンとも会えなくなるんだからぁ!!」「エーッ?何でー??」         「開けてよ、そうしたら話すからぁ。」  「今、言いなよ。」            「嫌だ!!顔を見て話したいのー!」    アンジェリンは部屋のドアを開けて、外に いつでも出られる様にした。急いでバスルームのロックを解除すると部屋のドアの所へ 走った。                千鶴子が入って来た。物凄く悲しい顔をしている。                 「アンジェリン、そんな所にいるの?大丈夫だよ、何もしないから。」        「何でもう会えないのか言いなよ。」    「それが…、居達がさぁ、うちのお父さんに電話したんだよー。」          「電話?!何で?」            「お父さんに、私にはもっと合った学校が あるからって言ってさ。その方が絶対に彼女には良いからって。私が、語学の才能が凄くあるみたいだけど、今のここじゃあそれが 生かされないし伸びないからって。だからって、上のクラスに行くだけの力はまだ無いって言って。だから、自分が知っているサンタモニカの英会話の学校があるから、あそこ なら此処みたいにに安全だし、そこの近くで ルームシェアをすれば良いから、自分も手伝うからって言ってさ。,」         アンジェリンは驚きながら聞いていた。  「そうしたらうちのお父さんが、私の伯父 さんで名古屋の代議士がいるって前に話したよね?その伯父さんならアメリカにも知り 合いや友達がいるみたいだから、サンタモニカにもいるかもしれないから聞いてみますって言ったんだって!で、本当に弁護士やってる知り合いがいてね。そこのうちに頼んで 私をしばらく預かってもらう事にしちゃったの!!アメリカ人の家にホームステイした方が私の為になるからって。だからもう行くのが決まっちゃったの!!だから今度居達さんが私を送って、行く事になっちゃったんだよ!!どうしよう、私、行きたくなんかないよ!ここにいたいし、アンジェリンとも一緒にいたいよ〜!」            居達さんが考えた方法ってこれかぁ!アン ジェリンは納得した。          「じゃあいつ行くの?」         「来月。今月は、学校で一泊の旅行があったよね?サンディエゴに。」        「うん。」                「あれにはどうしても行きたいからって  言って頼んで、何とか行かせてもらえる事に話は着いたの。本当は来週の頭にでも連れて行かされたんだけど、どうしてもって居達に頼んでさ。」              「そうなの…。」             「ねー、だから私が行くまで、仲良くしてね、アンジェリン?」          「分かった。」              「どこに行くの、アンジェリン?」     アンジェリンが外に出た。        「別に。只,おもては何となく気持が良い から。」                「私も出ようっと!」           千鶴子もアンジェリンの部屋のドアから外へ出た。                 「確かに気持良いね?だけど私、語学の才能なんて無いのに!そんなのは嘘なのに、お父さんったらすっかり居達の言う事を真に受けてさ!すっかり騙されちゃって!もう絶対に呪ってやるよ、あんな奴。今にあいつの大切な人間が死ねばいいの!!殺してやるから!絶対に殺してやるよ、私。今に見てろよ?!そうしたらどんなにショックか…。楽しみだぁ!!」                アンジェリンはそれから数日して、居達さんに声をかけられた。

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