線香花火

 

 笑い声を溶かした夏夜の風に、

 線香花火が揺れていた。

 

 燈火が照らしたあなたの髪は、

 シャンプーの香りを連れてきた。

 

 秋を溶かした夏夜の風に、

 線香花火が揺れていた。

 

 燈火が照らした石畳を、

 私はそっと、撫でてみる。


 

 ひどく小さな太陽を、

 あなたは夜に浮かべていた。

 

 いくつもいくつも、昇り、沈みを繰り返す。

 夜に溶けゆく火花さえ、

 

 どこかに仕舞っていたかった。

 最後に残る一本は、

 

 夏の残り時間を示して、

 灯りの消えた静かな夜に、

 秋夜の風が吹いていた。





 作者より

 更新が長く止まってしまい、申し訳ありません

 でした…。最後の文化祭に向けての準備作業に

 時間をとられ、詩を作る時間が全く取れず…。

 (作者は高校生です)


 昨日の夜、家族で久々に花火をした風景を詩に

 してみました。線香花火はやっぱり良いですね、

 目にも優しい。

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