第23話 エピローグという名のプロローグ

私は家に帰るといつもより遅くの帰りにお父さんが何かあったのかと聞いてきた。


「何もないわよ」


「で、でもいつもより遅い帰りじゃないか!あと3秒帰宅が遅かったら警察に連絡するところだったぞ·········!」


私のお父さんはとんでもないほど厳つい顔をしているけれど、過保護なのよね。顔が怖いのに。

それでも今回のことは私に非がある。ラインで連絡することもできたのだし。初めとのマネージャーの仕事であったからすっかり忘れていたわ。


「珍しいわね、雪女ゆめが部活に入るだなんて。好きな子でもできたの?」


「なっ!!!雪女!そうなのか!そう、なのかぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」


「··········お父さん、うるさいわよ」


あぁぁぁぁぁ!!!!!と外に出て叫んでいるお父さんを見て私はため息をついた。もうなんか色々と手遅れな気がする。昔からそうだったから、もう治らないのかしらね?


「雪女、それで何部入ったの?」


「···········陸上部よ」


「あら、つまりこういうことなのかしら?良太くんが入ってるからマネージャーやろう!って?」


「··········うるさい。お母さんのバカ」


私はそう言うと自室に駆け込んだ。後ろからお母さんの笑い声が聞こえる。私の顔が赤くなっているのを見て、笑っているのだ。


(いつも私のこと、バカにして··············!)


ベッドに倒れ込むとベッドの上で暴れ狂った。暴れ過ぎたあまりベッドから落っこちて背中を打った。


「痛い············ほんとに今日はついてないわね!」


陸上部の見学のつもりがなぜか入部前テストなるものをやらされた。これが伝統だとか部活として終わってるわ。二度とやりたくない!


でも。


「やっとスタートラインに立てたわ」


彼の隣に立てる人間に今日、一歩近づいた。ただ同じ部活に入っているだけではきっとまだまだなのだろうけど、今までに比べれば確実に前に進めてる。


私の物語は今日、プロローグを迎えたのよ!


私の戦いはここからだわ!


⚫第二章完。そして、第三章へ突入!

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