目を覚ますと、蝉の声が聞こえた。彼らは何を伝えようと鳴いているのだろうか。夢の中の話だからといって侮ってはならない。夢の中の祖母の言葉を思い出す。祖母は質問の答えを伝えにきてくれたのだ。自分の中の答えを見つけたい。


 私は完璧でない自分は必要されていないと思っているが、果たしてそれはあっているのだろうか。今まで自分が努力してきたのは紛れもなく完璧になるためであり、その努力のおかげでいい成績は残すことができ自分を磨くことができた。自分を鍛えるという点においては、完璧はいいようだ。


 では、なぜいけないのだろうか。もし私が完璧を目指していなかったら、千鶴や青葉との関係が悪くなる事はなかったのだろか。


 雑然と入り交じる糸を解そうとするが、また絡まってしまう。いよいよ自分が目指すべき姿が分からなくなってしまった。だが、それが分からなくてもすべき事はある。

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