義貞さんは猛将だとは思うんです。
某ビッテンフェルトさんのように限定された状況での戦術能力もある。
ただ、如何せん脳筋坂東武者の範囲からは出られなかった印象です。
師直は相手が悪すぎます。
千寿王を戴いた時点で下風に立つことが決まっちゃうということまでは読めなかったんだろうな。
ちなみに私は高氏が源氏長者であるにしても、なんであれほど人気があったのかという、この時代の武士の心理は、いまだに理解できません。
作者からの返信
黒色槍騎兵、そうです。まさにそれです。
義貞さんはそういう武将だと思います。
高氏麾下で、呼吸する破壊衝動として戦うというのが、義貞を活かす最適な形だったかもしれません。
最初から最後まで足利に従うという姿勢に徹していれば生き残れたかもしれませんが、この状況、鎌倉を陥落可能と看破し実行してしまうところがなぁ……と思います。
もうちょっと政略に通じていれば、逆に千寿王の下で大人しくしているという選択肢を採れたのに。
新田にもブレーンがいれば良かったのに。師直ほどでなくても。
これは「やる夫スレ」の梅松論スレの受け売りになってしまいますが、足利家はこの時点で全国に触手(今川とか上杉とか吉良とか血族)を伸ばしており、そのトップとして人気というか隠然たる勢力を誇っていたから、武士たちから「期待」されたのでしょう。
あとは建武の新政のやり方が拙劣過ぎて(武士視点で)、所領安堵、軍功認定は足利の裏書がないと不安だったのでしょう。
……まあたしかに、高氏はラインハルトとヤンを足して2で割って、「悪い方」の半分みたいなところがあります。
能力、勢力はあるくせに、妙にやる気をなくしたり、手抜きするし……。
武士たちからしたら、支持したんだからやることやって、早く天下を取って安定させろよと言いたいんじゃないかというのは分かります^^;
ありがとうございました。
新田さんは悪い人じゃなさそうだけど、何か努力とか、熱意が空回りしてしまうのかな?と、思いました。この時代のお話を読むと、いつも思うことです。
作者からの返信
新田さん、たしかに人間としては悪くなく、この時代にしてはまともな感覚を持った武士だと思います。
ただ、足利高氏とか直義とか、高師直とか、相手が悪すぎるというのが不運ですね。
楠木正成には評価されているんで、才幹はあるんですが。
ずっと足利の子分に徹していれば、どこかの守護とかで命脈を保てたのかなぁとは思います。
ただいかんせん、戦術能力が高かったので、この鎌倉攻めを独力で達成できると見抜き、成し遂げてしまったところが、義貞の幸運であり不運ですね。
栄光を得ましたが、同時に足利と対立する流れになってしまいましたから。
でも、おっしゃるとおり、この時代、誰しも不運な展開を味わう時代ですから、それも仕方ないことかもしれません。
それでも天下を取ってしまう高氏が異常なのですし^^;
ありがとうございました。
あと2話での完結。
全部読むのが楽しみな作品ですね。
作者からの返信
4,000字しかないので、頑張って4話に分けるのが限界です^^;
前回(第一回)は無謀にも、1話オンリー4000字で、キャッチコピーも紹介文も無しという荒業に出たので(笑)、その反省を踏まえております。
楽しみといっていただいて、恐縮です。
ありがとうございました。
編集済
後醍醐天皇が流された隠岐から脱出し、伯耆の船上山に立てこもって……そんな人がいたと、初めて知りました。伯耆には仕事時代からの知人がいます。
戦闘である以上、やはり策を弄するのですね、脳筋では勝てないんですよね(笑)
国木田独歩『武蔵野』、青空文庫で読みました。小説と思いこんでいましたが随筆だったんですね~! 記憶は当てにならないものですね(わたしに限って?)。(・´з`・)
作者からの返信
後醍醐天皇は、いわゆる南朝の天皇ですね。
ここから倒幕が盛り上がり、建武の新政が始まります。
伯耆では、海運を営んでいた名和長年の助けを借りて、船上山に籠っております。
で、楠木正成の河内における奮闘により、幕府は足利高氏に伯耆出陣を命じるわけです。
幕府の兵は河内に集中しているので、有力御家人である足利に頼らざるを得ないのです。
しかし、当の高氏が「もう幕府は駄目だな」と思ってしまい……。
高師直が新田義貞に働きかけたあたりは、私の想像です。
帝から綸旨を得たという話も伝えられていますし、不分明です^^;
どっちかというと、嫡子の千寿王(足利義詮)が本命でしょうけど。
国木田独歩「武蔵野」、ちゃんと読んだのは初めてでした。
明治期のこの国の、伸びていこう、この国の美点を見つけようという雰囲気がにじみ出ている逸品だと思いました。
あとは欧風な佇まいにも負けないんだよ、と言っているような気もしました。
……まあ、その名作に出てくる古戦場で行われた合戦は、こんなんだよ、と紹介できればと思って、書いております^^;
ありがとうございました。
こんにちは、御作を読みました。
今から見れば足利と新田は名門ですが、頼朝が挙兵した後、すぐに駆けつけた(でなければ、政子さんの妹が足利義兼の嫁さんになって、すぐ子供を産んだ理屈がつかない)足利と、大河ドラマの上総介広常より遅参した新田じゃ、家格に差が出るのは仕方がないことで……。
下手すると義貞さん無職で無冠ですからね、千寿王と並べること自体が間違えてる。
はずだったのになあ。
本作の師直さんの見込みは、当たるか外れるか、楽しみです。
作者からの返信
そもそも足利家が異常で、全国に触手を広げていて(斯波、一色、今川……)、勢力の時点で新田家はもう勝ち目がないというか何というか。
先祖はなるほど共通しているでしょうけど、鎌倉幕府末の時点では新田家はワンオブゼムというかモブ扱いですね^^;
……そういう無名というか、ダークホースが「暴れる」ことにより、着目を集めている隙に千寿王エスケープ、というのが拙作のプロットです。
でも実際は、新田さんが暴走というかハジケちゃったんだろうなぁ……。
足利家サイドからすると、「知らん間に遠い親戚が蜂起した」という感じだったのでは。
で、足利家が糾合するはずの武家たちを「かっさらわれて」しまい……^^;
はてさて、師直さん、苦虫をどれだけ噛み潰しちゃうんでしょうか(笑)
ありがとうございます。