第11話 許されざる者
慧仁親王 京 仙洞御所 1522年 正月
「……陛下に忠誠を誓います」
「うぬ、錦の御旗を下賜する。 これを持って関東に静謐をもたらす事を望む」
「はっ、畏まりました」
これで、一通り終わったかな。
「では氏綱、天照大御神様よりのお告げを伝える。 伊豆国土肥に金山が眠っているそうです。 採掘した金の3割を天皇家へ献上する様に」
「御意に」
「さて、陛下、献策がご座います。 高国、氏綱、共に聞いて意見を聞かせてくれ。 陛下、宜しいでしょうか?」
「うぬ、構わぬ、申してみよ」
「はっ、一向一揆および興福寺関係についてです。
1、宗教の自由はこれを保証する。これを侵す者、厳罰に処す。
1、宗教家の政への関与を禁ず。これを侵す者、厳罰に処す。
1、寺社共に武力を有する者、これを放棄せよ。これに従わぬ者は斬首。
1、寺社共に300石以上の領地を持つ事を禁ず。それを越える現在の寺領・社領共に天領とする。
これに従わぬ寺社は廃寺・廃社とする。
1、加賀国を親王領とし、今後3年間徴税を免す。
1、元加賀守護富樫家は取り潰し。
1、本願寺の勅願寺の取り消し、二俣本泉寺、瑞泉寺の廃寺。
1、一向一揆を指導した者は朝鮮への国外退去。帰国は免さず。帰国した場合、認めずに後に発覚した場合は斬首。
この件に関して例外は認めない。 以上
を、ご宣下ください。伏してお願い申し上げます。
この者らだけで、何人の民が亡くなった事か。許すまじです。如何でしょう、陛下」
「うぬ、間を開けず明日にでも宣下した方が良いな。間を開けると変な邪魔が入りそうだ」
「御意。二人は何か意見は有るか?」
「私には有りません」「私にも有りません」
「では、宜しくお願い申し上げます。 これにて下がります。 雅綱、おんぶだ」
もうダメ、眠い。
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