萌え文化を讃えよ!

「萌絵天皇陛下。イギリスは我が国の要求を飲んだそうです」

「ふむ。そうか」

 どうやら、かの世界最強の大英帝国(笑)は黄色人種の極東の島国に屈服したらしい。やーいやーい。ざーこざーこ。

「では、インドと豪州の統治は私が予め指示していたように」

「はい。了承しました」

 僕の秘書として働いてくれている女性が僕に一礼してから僕の執務室を出ていく。

 僕、大日本帝国の出した要求はイギリスの植民地であるインドと豪州を大日本帝国に割譲すること。

 イギリス領のインドネシアはドイツが割譲してしまっているので日本に割譲できなかった。

 悔しい。ぜってぇいつか日本のものにしたるわ。

 ちょっとドイツでヒトラー暴走してくれんかな?内乱起こしてくれんかな?

 ちなみに頭脳明晰な紳士諸君ならば、『萌え』天皇にヒトラーで気づいていたと思うけど僕は転生者である。

 僕の前世は女と歴史を好む高校生。

 そんな俺だったのだが、なんかなろうとかでありがちなトラックに跳ねられ、目が覚めたら・・・ 体が縮んでしまっていた。

 まぁ縮んだと言うより赤ん坊になったという方が正しいのだけど。

 僕が転生したのは天皇家。大正天皇の子供だった。

 僕が天皇になって皇道派をうまく使って絶対的な権力を握るため各地で奮闘していたころ、第一次世界大戦が勃発した。

 そして、1917年。アメリカが参戦しなかったことを見て、ドイツ帝国が勝つ、というか某ゲームのカイザーライヒみたいな世界になりそうだと思った僕は保険の押し売りをするために行動を開始した。

 まず最初にしたのは大正天皇の暗殺。そして、次期天皇であった昭和天皇も天皇になる前に暗殺。

 しようと思ったのだが、それは流石に嫌なので、二人を満州に送った。

 二人は僕が秘密裏に使った情報部隊の監視のもと何不自由なく一般市民として生活することになるだろう。

 跡継ぎ問題で荒れていた所、僕の様々な行動により軍に強い影響力と民衆に絶大な人気を誇っていた僕が天皇に即位。

 年号を『萌絵』に定め、僕は萌絵天皇となった。

 ぐへへ、この日本に萌え文化を定着させるのは俺だぁ。 ちなみに、年は8歳。

 この歳でというか、3歳のときから積極的に行動してきたので、周りが勝手に神童と崇め、さすが神の子だと畏怖しだしたので、この年でも天皇にも慣れた。

 いや、やっぱり8歳の天皇はおかしくね?

 と、こんなこんなで僕は最高権力者になったのだ。

 そして、予想通り第一次世界大戦でドイツが勝利し、英仏が共産化しようとしている。

 可燃物たるフランスはどうでもいいが、アジアに植民地を抱えるイギリスは無視できない。

 僕は天皇権限でイギリスに正規軍を派遣。

 ドイツには白紙講和を結んだ際イギリスに対し、日本が干渉することを認めさせた。ドイツも共産勢力への警戒心は持っているようだったので交渉は簡単に済んだ。

 それどころかドイツから義勇軍も貰った。いやぁー、ありがてぇ。いつか潰すけど。

 こうして、日本は安全にイギリスを開放し、日英同盟を再度結び、イギリスからアジアの植民地をもらえたわけだ。

 日本はあくまで欧米に支配されるかわいそうな植民地の開放を目的としているので、インドと豪州は開放し独立。日本の支援のもと独立国として歩んでいく。

 あ、お二国さん。支援のためのお金はあくまで貸してるだけ、利子はあなたの国の毎年の税収の一%でいいよ。

 あぁ!いいよ。全然気にしないで。別に借金なんて返す必要ないから。

 ただ、これから一生日本に税収の一%を収めるだけでいいから。

 

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