第38話 訊いていいかな…

 普段ならかなり酔うはずの酒量だけど、まだ幸運の余韻があるのかな、体調はいいね。

「訊いていいかな…」

「ハイ、なんとなくわかりますが…。たぶん…」


「プラン…。神様のプランってさ…、その…、生物の創造だけじゃなく、いわゆる、自分の意思で生きる生物の創造…。そんなところだと思うんだ。推測するだけでもおそれおおいことだけどね…」


「ハイ、おそれおおいですし、私もそう思います。プランはそうだと…」

 うん…


「でさ…、もしもだよ…、もしも神様がさ、『ああ、なんかプラン通りじゃないな~』って判断した場合、どうなるの?」


「我々会社のPDCで言えばね、また修正プラン、修正計画をたてて、実行して…っていう流れになるんだけれど…。これってどうなるの?」

 どうなるのさ?


「実行って…、天地創造だったよね…。っていうことは、修正計画の実行ってまた天地創造になる?いや、その前に、あ…、その前にあれだ…」


 ミケランジェロの有名な絵があったね。美術の教科書で見たことあるよ。まさか…

「壊される…、そのほうが“上司”の神様には楽なのか…な…」

 修正するより、作り直すほうが楽なら、会社でもそうするよ。


「最後の審判…って…」

 最後の審判って、PDCだった…

「そうゆうことだった…?」

 ガブちゃん…、まさか…、僕の想像ってあってる、あってるの?


「天使、ガブちゃんには正確にはわかりません。それも含んでいるかもしれません」

 そうだったね、推測するしかお互いなかったよね…。

「すべて推測です。みなさんもよく言いますよね、GOD ONLY KNOWS…、神のみぞ知る…」

「そうだよね…、ごめんね、わからないよね…」


 神様は慈悲深く優しい反面、厳しいところもあるだろう。きっと今のこの世界を見て嘆いているんだろうな…。愛し合う生物たちがお互いに一方でいがみ合い、争っているしね。


 最後の審判が人間の想像だとしても、修正計画はどんな形でもあるのだろうな…。

 推測するしかいずれにして方法がないけれど、すべてはガブちゃん達のチェックの結果しだいだね。

 ところで神様はガブちゃん達の報告書、どんな感じで読んでいるんだろう。


「あ~、もう、人間たちはな~」っていうふうにかな?

 それとも「よくやってんじゃん…」そんな感じかな…。

 だけどね、推測しかない…。推測だけじゃどうしようもない…。

 最後の審判、近づいているの…?

 はぁ…、ヒントないの、ガブちゃん。

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