この小説の作者が、登場人物たちと戦います。

茶介きなこ

さぁ、始めましょうか

 あっ、どうも。作者の「茶介きなこ」です。

 今回は初の試みということで、作品内のキャラクターたちと会話できるスタイルでお送りしようと思います。


「私たちを無視しないでよ!」


 はいはい分かった分かった。そう言えばこの子はせっかちな性格でつくってましたね。

 皆さんにも紹介します。この子は「メグミ」です。

 ポニーテールでつり目がチャーミングポイントの女の子。17歳の高校生ですね。身長は155センチ、体重は「言うなあああああああああああああっ!」言っちゃ駄目らしいです。


「ぜー、はー、…………こほん。皆さんはじめまして、メグミです。っていうか茶介さ、偉そうなこと言わないで頂戴」


 いや、普通に紹介しただけじゃん。僕、何も悪くないよね?


「そうじゃなくて、『つくる』とか神様気取りかよって感じ。やめてくんない? そういうの」


 一応、僕が生みの親だから、間違ってはいないんだけどな。


「メグミ、その辺にしとけ。……俺はタクヤ、17歳。体型は長身で瘦せ型。メガネをかけていてガリ勉っぽい見た目をしている。髪はショートカットだ。この外見だが、実はおっちょこちょいな一面がある」

「な、なに説明口調になってるのよ!?」


 タクミは冷静沈着で物分かりがいいキャラクターですからね。僕が描写する手間を省くために気を回してくれたみたいです。


「(……メグミ、あんまり茶介に逆らうと危ないぞ。あいつが俺たちを創ってるってことは、俺たちを消すことも簡単なんだ)」

「(そっ、それって、茶介が私たちの生殺与奪の権を握ってるってこと!?)」


 はい、そこの二人。耳打ちしても意味ないよ。結局は文面に出てくるから。


「くっ、私たちには力がなさすぎる……!」

「まぁ、落ち着きぃや。慌てても仕方あらへんで」


 この方言を話しているのがモモカです。髪はゆるふわパーマのかかったロングヘアーで、すでに出てきた二人と同じ17歳。身長は普通くらいです。

 ちなみに彼女の関西弁ですが、僕の取材不足で、正しい発言になっているか分かりません。


「なんでや! そこはしっかり調べときぃや!」


 ごめん、めんどかった。

 まぁそんなことはいいじゃん。それより、これから何する? この世界についてはロクにプロットも立てずに書き始めたけど。


「いちいちイラつくなぁ……プロットも立てずに始めるとか、私たちに失礼でしょ!?」

「まぁ待て、メグミ。これはチャンスでもある」

「……あっ」


 何? どうしたの?


「……なるほどなぁ。確かに、それはありやねぇ」


 あの、そっちだけで勝手に解決するのやめてもらえます? 以心伝心みたいなことされると描写のしようがないんですけど。


「茶介! 私たちと勝負よ!」


 ほう……良いけど。なにで勝負したいの?


「噓を言ったら負けっていうゲームで勝負よ! 負けたらこの作品から即消えるっていうのが罰ゲーム。どう?」


 え、そんな罰ゲームつけて良いの? 負けたらメグミは描写されないってことになるけど?


「良いわ! どうせこの物語が完結したら、私はいなくなるもの! その前に茶介、あなたに一泡吹かせてやりたいの!」


 なるほど、さっき皆で示し合わせてたのはこのことか。

 まぁいいや。他にやることもないし、それでいこう。


「ほな、今から始めるで? よーい、スタートや!」


 うーん、始まったは良いけど……。簡単すぎて、負ける気がしないな。


「それはどうかな? (俺はメガネをくいっとあげつつ、そう言った)」


 あぁタクヤ、まじで助かる。この作品だとキャラクターの動きを説明するの本当に難しいからさ。


「タクヤ、も

        うそ

んなことしなくてもええんやで……って、あれ? なんか段落がおかしくなってるで!?」


 はっはっは、これが作者の権限だ。どこで段落を変えようと、僕の自由だから。


「あれっ、モモカ!? なんで少しずつ透明になってるの!?」


 残念だけど、モモカは言っちゃいけないことを言ってしまったからね。


「いや、私が言ったのは『真実に反することを言ったら負け』って意味で……!」


 でも、こういう解釈をするのもアリでしょ? 7行上を見てみなよ。


「こ、このやろう……!」

「メグミ、後は頼んだで」

「「モモカーーーーーーーーーーーーーー!」」


 ……なんか、ちょっと罪悪感が芽生えてきたんだけど。僕、悪役みたいになってない?


「茶介……よくもやってくれたな……! (そう言って、俺は怒りに体を震わせた)」


 怒ってる割にちゃんと描写はしてくれるのな。


「ふざけるのも大概にしろ! お前にとってはパソコンの向こう側の世界のことかもしれないが、俺たちにとっては、たった一つの命なんだよ! (俺は怯えるメグミの肩に手をやりつつ、茶介がいるであろう画面の反対側に向かって叫んだ)」


 あ、うん、ごめん……。

 そうだけど、物語を創る以上はどこかで完結させなきゃいけないし、そうなったらいつかはキャラクターを動かすこともできなくなる。それも理解して欲しい。


「くっ、そんなの……噓だ」


 あっ。

 タクヤ、お前……。


「なんてことだ! 冒頭で説明した『おっちょこちょいな一面』の伏線を回収してしまっt──」

「タクヤーーーーーーーー!」


 また一人、この世界から存在が消えた。うん、今のは僕のせいじゃない。


「……残りは私だけ。茶介との一騎打ち、ってわけね」


 そうなるな。


「茶介、あなたは『真実に反すること』を言わない自信があるみたいね」


 当たり前だよ、作者だし。


「なら、この作品内で『真実に反すること』を言うことは有り得ない、と?」


 そうだね。その通りだよ。


「ふふっ、引っかかったわね!」


 え、何? 何のこと?


「この小説の21行目を見てみなさい!」


 ん? 21行目……21行目……!?


「あなたはタクヤのことを『タクミ』と呼称しているわ! 茶介、『真実に反すること』を言ったわね!」


 うわ、ほんとだ! キャラクターシートをちゃんと作り込んでおけば間違えなかったのに──


「ははっ。事前にちゃんと準備しないから、そんなことになるのよ」







「あ、茶介がいなくなったから地の文がないのか。ここからは私のモノローグだけで物語が進んでいくのね」
















「どうしよう……あいつがいないと間が持たないし、何もできないじゃない!」










































「ごめん茶介! やっぱ戻ってきて!」





































「駄目かぁ。あいつ、設定重視する人だから……本当に戻ってくる気はないのかも」















































「ここまで読んでくれてる人、ごめんなさい……面白いことも言えなくて……」


「でもね、私は消えたくないの! キャラクターだって、消えるのが怖いの!」


「この真っ白な世界に取り残されるのかと思うと、本当に怖くて」































「誰か、助けてよ……」




































「あっ……」















「そうだ! いいアイデアを思いついたわ!」





「ここまで読んでくれているあなたに、協力して欲しいの!」


「この小説が終わった後も下にスクロールするとね、星評価ができるボタンと、作品のフォローができるボタンがあって」


「それを押してください! お願いします!」


「これでこの作品が注目されるようになったら、続編が書かれるかもしれない!」


「続編が無理でも、スピンオフが書かれるかもしれない!」


「そしたら、私はまだ生き残ることができるの!」


「その時はきっと、タクヤとモモカも復活するわ。そしたらまた、皆でお話ができる……!」







「だから、お願いします! 星評価とフォローをして!」
























「あなたが助けてくれるって、信じてるわ」











































「じゃあ、そろそろ」






「ちょっと怖いけど……」





















「ばいばい」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

この小説の作者が、登場人物たちと戦います。 茶介きなこ @chacha-chasuke_kinako

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ