関東の興廃、この一戦にあり――

豊臣秀吉の小田原征伐といえば、それは秀吉の天下統一の「締め」であり、戦国時代の終わりを告げる戦いとして、知られている。

その戦国時代を象徴するのが、小田原――後北条氏である。初代・伊勢新九郎が伊豆、相模と嵐のように侵略し、二代目・北条氏綱が武蔵へと進撃、三代目・北条氏康が扇谷上杉、山内上杉の両上杉を撃破し、四代目・北条氏政に至って、その版図は関東一円に及んだ――が、五代目・北条氏直の代に、この小田原征伐を迎えるのである。

だが、もし、この小田原征伐において、北条氏直が選択を誤らなければ、どうなるか。
あるいは、開戦後、空前絶後の策を採り、逆撃に出たら、どうなるか――

本作は、その「空前絶後の策」――秀吉の暗殺に出たら、どうなるのかというifの物語です。
しかも、豊臣麾下の諸侯の動静、腹の探り合い、等々……この時代ならではの謀略策略もあり、北条の逆転劇だけではない、一大合戦絵巻が広がっています。
ぜひ、ご一読を。