第4話 実のところ、皆SFって好き?嫌い?

 最近少しずつ聞くようになった戯言がある。


 SF嫌いなんだよ!

 細々難しい事御託並べてガチ勢しか読まないでしょ?

 わかりやすい方がいい!!


 で、そんな戯言を呪文のように言う人間が必ず言う事。


 最近スターウォーズ熱いよね!!

 サマーウォーズのあの仮想空間バトルたまらん!!

 ブレードランナーってかなり昔の映画だよね?興味ある!!

 スタートレック新章キターーーーー(゜▽゜)-----!!


 お前らそれ全部SFなのわかって言ってんの??と本気で言いたい。


 ドラゴンクエスト大嫌いって言ってるヤツがロード・オブ・ザ・リングにドハマリしてるようなもの。

 ラブコメ大嫌い、Deep Loveは重すぎと言ってセカチュー観て大いに号泣しているようなもの。


 要は大体の連中は“宣伝広告に踊らされてる、自分を持ってない大衆主義者”。


 そもそも2012年に公開された「アバター」と言う映画。

 こぞって映画館行列並んでたけど、はいSFを貶した大衆主義者の皆さま。

 「アバター」はもろにSFなんだよ。


 スタートレックも日本で公開されたばかりの時はかなり大いに歓待を受けていたけど、時と共にやはりSFの悲しき宿命かな、オタクコンテンツという“勝手な”レッテル貼りを受けて日本では少し低調だった。

 スターウォーズも、もはやオタクコンテンツの代名詞の扱い。

 25年前じゃ、スターウォーズ好きって言っただけでドン引きされてた時代だったんだよね。

 ガンダムシリーズだって、ガンダムSEEDがなかったら未だにオタクコンテンツのレッテルを貼られてたままだっただろう。

 ジブリでも一時期は子供の観るモノと決めつけられていたけど、「もののけ姫」以降完全に大人の層まで入り込んだよね。


 要は、とにかく小難しい言葉が少しでも出ると大衆主義者は拒否反応を示すようである。

 これがそんなにいないのならまだ良いが、圧倒的大多数なのだから質が悪い。

 これは、日本人の本質、根底にあるものとも言えるので全面的に否定すべきでない一面である。


 もちろん、MAGI自身にもそう言った面は必ず存在していた。

 しかし、やはりそう言った“流行り物”や“トレンド”に、自分は長続きした試しがない。


 実際、広報・宣伝側が相当に問題ある体勢なのも否定できない。

 確かに金を積まれれば、それが仕事なのでやるのは致し方がない。


 しかし今まで全く見向きもしていないどころかレッテル貼りにまで加担していた連中が大手を振って宣伝するのである。

 これは本当に“文化振興”として本当に“正しい姿”なのか、甚だ疑問である。


 以前述べた、ライトノベル界の低質化の面を綴っているが、作家の価値を貶めてまでそんなに金が欲しいのなら自分らで何とか出来るだろ。

 作家を食い物にした上に文化振興の退廃を促す。

 これはひと昔前、“メインカルチャーの衰退、サブカルチャーの勃興”と言われた時と同様の現象が今起きている。


 実際、サブカルチャーと言われる漫画、アニメ、ライトノベル等々、20年前は時代を席巻したコンテンツが軒並み過剰飽和となっている。


 今では動画配信、自己コンテンツ配信という、個人が直接提供する時代となっている。クリエイターは何のしがらみもなく世に提供出来るし、消費者は膨大な数に悩まされつつも、その中から“本当に心に来るもの”を見つけ出せる楽しみを持てる、ひと昔前からすれば良い時代になっている。


 だが思い返せば、30~40年前ぐらい、漫画の週刊誌や月刊誌、小説などを載せる雑誌や新聞等、これには必ず編集サイドが存在していた。

 その編集サイドは、良くも悪くも“作品の方向性の是正”を行っており、紆余曲折ありつつ名作を通り越えて、いくつかは“図書館に並べられる歴史書”にもなっている。

 当時も勿論人気商売であったが故、様々な作品が世に出ては消されている。

 ただ、色々共に推敲した上で本当にダメだと判断されたら降ろされる。


 昔は良くも悪くも、編集サイドや広報サイドに情熱があった。



 今ではどうだろうか?

 一時期かなり問題となった、comicoと言うWEB漫画アプリ。

 出回っている話だと、どれだけ人気作であっても、配信開始当初は作家の原稿料が1話につき5万円だったとの事。

 全話フルカラー毎週更新を謳っている為、これだけで漫画家の負担がどれ程なのかと想像を絶するレベルである。


 その上で、配信開始当初はそもそも有料課金の概念がそもそも存在しておらず、初期は勿論かなりの人気となっていたが、有料コンテンツのプラスを運用開始して以降何の手応えを感じたのか、本家アプリでも無料の大幅制限を行い、1話読むごとに20~30秒のCMが入る。


 今のご時世では当たり前の内容だが、当時としてはかなり非難轟轟で、実際かなりのユーザー離れを起こしたようで、今では非専属の漫画作品を転載するという、当初の“全作品オリジナル!!”と言っていた謳い文句はどこに行ったのだろうか・・・、な状態となっている。


 実際、今の小説投稿サイトはまだ、comico程の凄まじい炎上レベルの話はまだ出て来ていないようだが、これ以上今の状況が続くなら“第2のcomico”が現れてもおかしくないだろう。




 逸れてしまったが、実際こういう“やらかし運営”がやりたい放題する実態もあり、SFがどんなものなのか、と言った観点が数十年も前からおざなりになっている。


 流行り物しか目がいかないのは、本当に好きとは言えない。

 それで“真髄”と語り切る“やらかし運営”も滑稽でしかない。

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