魔女と、魔女から魔法を教えられる少女と、そして「楽園」の島の決まりごと

南の島に魔女がいて、その島に、魔女から教えを受けてやらなくもないという少女がいて――とりあえず、これだけ知っておけば充分。
それでこの物語の世界へ旅立てます。
あとは――その芳醇な語りのままに、世界へ没入する流れに身を委ね、少女――エㇽダと共に笑ったり怒ったり、エㇽダの周りの少年たちのようにオロオロしたりアワアワしたりして過ごしておけば良いのです。
それこそが、その「楽園」の島のエチカ――決まりごとなのだから。

そして気がついたら、絶大な魔力を秘める少年や、強いのだろうけどどこかユーモラスな戦士、北の王国から来た真面目な魔女見習い、恋に愛に生きている騎士たちが登場して、物語に花を添えます。

その物語をつづる「ことば」、これがまたユニークに「なるほど」と思わせる言の葉で、その世界観をあでやかに飾り付けてくれ、目に美しく、語ると耳に快いことでしょう。

今まさに、咲いた花が果実になる如く、果てを迎えるこの物語――ご覧になってみてはいかがでしょうか。

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