第3話 出会い



 成長した俺は、王位を継いで王になった。


 王の仕事は意外と大変だった。


 多くのやる事があって、確認事も大量。


 そのため、心がささくれ立つ事が多い。


 父が女に癒しを求めた気持ちも分からないではなかった。


 だからといって許せるかと言えば、否だが。


 毎回のように増える仕事に辟易していた俺はしばらく経って、町へ繰り出す事が増えた。


 執務室にいると、仕事を思い出してしまうからだ。


 現実逃避だった。


 そんな中で、とある一人の女と出会った。


 それは美しい女だった。


 一目で恋に落ちた俺は、その女を王宮へ招き寄せた。


 王の伴侶という立場に、相手もまんざらではないようだったので、父のように無理やりという事はなかった。


 俺はその女に恰好をつけるために、良い王であろうと思い、今まで以上に努力した。


 けれど、その女が旅人であると知ってから俺の愛はさめてしまった。


 どんな言動も、裏があるように聞こえてしまう。


 おかげで夫婦仲は冷え切っていた。


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