その7 創作活動と音楽

 私は拙いながらも、こうして小説を書いているが、小説を書くときにいつも気をつけていることのひとつとして、気分を持って行くというものがある。


 例えば、落ち着いたゆったりとした話が書きたいというときは、ジャズチックなBGMを流しながらコーヒーを一杯飲みつつ、心穏やかな感じに持って行かせ、ファンタジーもので激しいアクションシーンを描写するときは、ゲームの戦闘BGMをエンドレスで垂れ流しながら執筆をするといった感じだ。これは執筆活動に限らず、創作活動をしている人は、何人か心当たりがあることだと思っている。


 私は小説を読むとき、読んでいる小説の登場人物になり切るというか、感情移入しながら読んでいる。そのため、前述したことは執筆中に限らず、場合によっては読書をしているときにも同じことをすることがある。物語に深く深くのめり込んで、現実とは違う感覚を感じ取りたいのだ。


 そういうことをしながら文章を連ねていると、自分の文章にも多少なりとも感情というものが込められているような気がしなくもない。言ってしまうと、楽しい気持ちで書いている文章は推敲するときに読んでも楽しい空気を放っており、つまらないと思いながら書いた文章は、あとで読むといまひとつな感じがどうしてもしてしまうのだ。現在、こうしてエッセイを連載させているが、公開しているものはともかくとして、公開する前に幾度か推敲作業をするのだが、その過程で「この話はつまらないから没にしよう」とか「このエピソードはもう少し煮詰めていけばもっといい感じに仕上がるかもしれないからいったん置いておこう」というものがいくつも量産されている。それらのエピソードはいつの日か陽の目を見ることがあるかもしれないが、そのまま片付けてしまうかもしれない。


 つまらない話だから没にしようとか言う言葉を聞くと、「それじゃあ公開しているのは全部面白いのか?」という話になるが、人の好みはあるが読めなくはない、少なくとも面白いと自分が感じたから公開しているのだろうと、自分は思っている。面白いのベクトルがどういう感じに働いているかは別として。


 私は、自分でつまらないと思っている作品を無理して出しても、つまらないで終わってしまう気がしてならない。なにせ、第一読者である自分自身がつまらないと思っているのだ。他者から見てもおそらくつまらないものと目に映ってしまう事だろう。第一読者である自分をまず納得させるところから、創作活動は始まると思っている。


 今、こうして執筆しているわけだが、現在かけている音楽はジャズのBGMだ。エッセイを書くときはだいたいクラシックかジャズを聞いているときが多い。程よく刺激がもらえて、考えをまとめるときに阻害とならない落ち着いた感じがいい。






 今更だが、本エッセイ集はひと段落したコーヒーブレイクの最中に読んでほしいと思っており、文章量としても5分~10分で読み終わる文章量になるように調整している。ガッツリと一気読みもいいが、1日1話暇つぶしに読んでもいいかなと思える感じに仕上げようと努力をしている。ソシャゲで言うところのデイリーミッション的なものだ。その割には1日1本ペースで執筆していないことは申し訳ないと思っている。





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憧れのエッセイストはさくらももこ 青山モカ @coffeemocha8

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