第5話

僕は全てを理解した。

名前は中村疾兎。年齢は十七歳。風上中学卒業まではいじめを繰り返し、クラスメイトや先生達からも恐れられる存在だった。高校は地元では一番偏差値の高い進学校の峯ケ峰高等学院へ進学するも、いじめていたのが一変し登校を拒否することに。クラス委員である南風夏向がクラス委員の仕事として毎日放課後に家に来て必要なものを届けに来てくれていた。彼女と少しずつ接するうちにいじめていた事へ後悔を覚え更生することを決意した。しかし登校すると先輩達から夏向への陰口を言われ先輩達を殺した。戸惑う僕を夏向が宥めてくれその日はすぐに帰ることに。次の日学校へ行くと何事も無かったかのように学校生活を過ごしていくことに。先輩達は転校したとの連絡を受け不可思議ながらも学園生活を少しずつ満風する僕は次第にクラスに馴染むことが出来るように。しかし体調面は優れず週に一度は休むことに。休み明けの学校へは行く気が起きずサボりがちに。少しずつ増えていき次第に登校をすることすら嫌がることに。今回は夏向も呆れたかのように放課後家に来る回数も減り僕は家に引きこもるように。そこで読書に目覚め家中にあるライトノベルや漫画や色々な本を読むことに。部屋に収まりきれない本は廊下に並ぶほど本は増え続け、夏向が家に来る度に廊下の本を整理する羽目に。夏向はそれが嫌だったのだろう。話を聞いてた限りではそう思う。

部屋にある未読本が無くなり本を買いに久々に外へ出ることを決意した。しかし一人で出るのは怖く夏向に頼ることに。夏向からもうすぐ着くとの連絡を受け何ヶ月ぶりという程の着て無さすぎる制服に身の丈を包み家を後にした。

玄関を出た瞬間に「バサッッ」と空高くから大きな音が響き渡り上を見上げた瞬間僕はこの病室にいた。ここまでが今までの一連の流れだそうだ。

しかし一つ疑問が残る。なぜ僕が上を向き倒れたということを夏向が知っているのか。それは聞こうと思ったが聞けずにいた。彼女が泣きだしたからだ。僕が辛い日々を送っていたことを改めて思い出し泣いてるそう。

だが僕には記憶に存在しない。

説明忘れだがこの病気の説明は彼女ではなく、しっかりと医師から聞きある程度の理解はした。記憶を失う病気であること。自分の記憶を持つ人も次第に忘れてしまうこと。こんな病気があることすら知らなかったがネットで調べると記事が出てきたから本当なのだろう。治らないと国から言われている病気なのでこれに関してはどうすることも出来ない。

ただ誰からも覚えられず忘れられるのは嫌だ。

せめて夏向だけには覚えてもらいたい。

それだけが願い。

夏向が帰ったあと僕は何故か分からないが涙が止まらず目が赤くなるほどに泣いていた。

病室は個室だったので誰にも見られないので気にせず泣いていた。だが後でよくよく考えると恥ずかしい。

「僕はなんて悲惨な人生なんだろう」

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