第52話 小さな物語
今
街は暮れていく
貴女の顔が見えなくなっていく
そう言えば
貴女が言ってた
霞んで見えない
都会の空の星
いつになれば分かり合えるのか
街の片隅で
正直に生きて行くには辛すぎる
左手でかきあげた
細い髪
白い頬を
私は見ていた
アスファルト流れる
車が通り過ぎる
黒い瞳を照らすヘッドライト
自分にだけは負けたくない
そう聞こえた
正直に生きて行けたなら
それだけでどんなに素晴らしいだろうか
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