第41話 夏の夜の薄氷



二人きりの夜


指先を動かしただけで壊れそうな時間


唇は既に固く結ばれ


溢れるような愛の言葉は消え


薄氷を掴むような思いでそっと君の肩を抱く


君は私の胸に美しい顔を埋め


潤んだ瞳で私を見つめる


今夜

全ての罪を受け入れよう

強く肩を抱きしめよう

心と体を一つにしよう

そう決めた私に君は


お馬鹿さん


私は次の言葉を言わせないように

唇を塞ぐ

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