第32話 旅の途中で



雲行きも怪しい朝

渓谷を渡る風が冷たい


出発を諦めて

テントの中で寝袋を背に腕枕


何かを求める為と

過去を忘れる為の


求める事を諦めた時

蘇ってくる過去の事


悲しみを笑いに変える事は容易い


人前で悲劇を喜劇に見せる事は容易い

然し一人になると喜劇が悲劇に変わる

悲しみはいつも私の旅の道連れとなる

まだまだ旅を終わらせる事ができない

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