第19話 それぞれの発狂ーVer.ふぶきー

「なんであんなことにぃ!!!」


私は自室のベッドの上でもがきながら叫ぶ。


「記憶にある!!ちゃんと覚えてる!!勢いで連絡先交換してるしぃ!!私流されちゃってる!!」


ジタバタとベッドの上で騒ぎながら、私はあの夜の出来事を振り返って恥ずかしくなった。


なんで私あんなことぉ!!!!

なんか具体的な後悔はないけど!!

なにかをやらかしただろ!私!!!


「ぎゃぁあ恥ずかしぃ!!!別に何もやらかしてないはずなのに恥ずかしい!」


枕をボコスカと殴ってさらに叫ぶ。

しゅんすけさんみたいに酔ったわけでも告白したわけでもないのに、何故か猛烈に恥ずかしい。


「ど、どうしよう!どうしたらいいの!!」


握りしめた枕をこれでもかと潰しながら、ベッド脇においたスマホを見つめて自分に問いかける。


「やっぱ、ここはなにか気の利いたことでも書くか?」


一回だけだけど夜にあったんだし、感謝の言葉とかお礼とかやはり礼儀として必要だよね!?


「『楽しかったです!お酒じゃないのでもぜんぜん大丈夫です!』とか、シンプルに『ありがとうございました!!』とか、逆に親しげに『また会おうぜ!!』とかそそういった文章を打つべきなのかなぁ!!?」


もうわかんないよと枕をベッドに投げつけて発狂した。


ごめんよ枕。今だけだから犠牲になっておくれ。


「だめよ!!私にできないぃ!!!!!!もうっ!!こなったら!!」


私は悩みに悩んだ末、もうやけになってスマホのとあるボタンを押した。

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