錬金術師 アリアの旅

凪乃 優一

錬金術師 アリアの旅

 

 今にして思えばそれは必然だったのかも知れません。あの日、私が先生に初めて出逢った日。私の人生が変わった日。私が今こうして、錬金術師として、この広い世界を旅しているのはきっとあの日の出来事が運命だったから。


 私は今、小柄で茶色の毛をした馬のコレットに跨って、草原を渡っています。背中に大切な調合釜と、一冊の本を持って。側はたから見れば少し変わった人に見えるかもしれません。(まぁ、実際に変わった職業なのは事実ではあるんですけど)

 私は今、錬金術師という職業をしながら旅をしているのです。錬金術師とは調合で複数の素材を調合し、別の新しい物を作る職人のことです。少し魔法にも似ていますね。まだ独立して一年ほどなので、若手です。


「あ、見えて来た」


 と、気づけば、無限に広がっていると錯覚してしまいそうになる広大な草原の向こうに、薄らと何かが見えて来ましたね。私は思わず立ち上がりました。視線の先、遠くに壁と、そして街が見えます。次に私が訪れる街。錬金術師 アリア・アインホルンが次に訪れる世界。

 吹き抜ける風に服があおられるのを手で押さえながら。私は彼女の手綱を引き、押します。コレットの鳴き声が響いて、それから力強く走り出しました。一層強く感じる風に背中の調合釜がカランと音を立てます。


「今日もよろしくね」


 私は揺れる調合釜に優しくそう言って、撫でました。調合釜を見ると、今日まで歩んできた道のりをつい思い出します。先生との出会い、はじめての調合、錬金術師として初めて誰かの役に立ったこと、先生との再会と職人になるための特訓の日々。私の中で数えきれない思い出が駆け巡ります。その、思い出に酔いしれそうになってしまいます。(私もまだまだですね)

 と、そんなことを考えているうちに薄っすらと浮かぶだけだった街並みがくっきりと見えるようになってきていました。


「よし!」


 気合を入れ直すように両手でほっぺたを挟みました。ほんのりとした痛みが伝わるのを感じて、私はもう一度街並みを見据えます。


 錬金術師アリアの旅はまだ始まったばかり。錬金術師として人々の助けとなり、笑顔にすること。そして、錬金術師が誇りある存在であることを広めることが私の旅の一つ目の目的。もう一つは……いえ、それはまたいつかお話ししましょう。


 壁に囲まれた街の入り口に着くと、二人の衛兵さんが立っていました。恐らく検問です。片方はスラっとした背丈が高く整った顔が印象的で真面目そうな面持ちの衛兵さん。もう一人の衛兵さんは、少し背丈は低くて、少し気だるげな表情をしています。


「——フォルンの街へようこそ。お名前と職業、それから滞在目的と期間をお伺いしても?」


 私が衛兵さんの前まで行くと、右側に立っている背丈の高い方がそう聞いてきました。私はコレットから降りて右手で手綱を掴んだまま、軽く身なりを整えると、一礼して答えます。


「アリア、アインホルンです。錬金術師をしています。錬金術師として働くために訪れました。期間は1週間程です」


 我ながら中々の笑顔を作って堂々と答えました。すると、背丈の高い衛兵さんは私と同じ笑顔で、


「この街には錬金術師の方も居られますよ。数多の職業が盛んな街ですから。きっとアリアさんも気に入っていただけると思います。まずはギルドを訪れてみて下さい」


 と言って。背丈の高い衛兵さんは、もう一人の気怠そうな衛兵さんに合図して、門を開けてくれました。どうやら無事に入れるようです。(少し緊張しました)

 まずはそのギルドに行ってみることにします。


「よい旅を、錬金術師のアリアさん」


「ありがとうございます」


 最後にもう一度衛兵さんと笑顔を交わして、私は街に向かって歩き出しました。門を抜けて、中に入ると、

 すぐ目に飛び込んで来たのは、大きな、大きな噴水でした。太陽に照らされて煌めく水が勢いよく空に向かって吹き出しています。


「大きな噴水。街のシンボルかも」


 私は思わず噴水を見上げそうつぶやきました。そして、それからあたりをぐるっと見渡します。街の玄関であるこの地区はとても活気に満ち溢れています。大勢の人が行き交い、通りの奥の方まで並ぶお店には大勢の観光客が買い物をしています。


「活気のある街だけど、エリスも負けてないよね」


 つい自分の故郷と張り合ってしまい、思わず自分に苦笑してしまいました。それから、綺麗な外観の街を横目に私はギルドを探すことにしました。まずはギルドで錬金術師としてのお仕事を探します。

 そう、私は錬金術師です。錬金術師は立派な職業なんです。ただの肩書きではないのです。(まだこの街に来てからは披露していないので、あまり説得力はないかも知れないけど)


 人の通りの多い大通りを進むと、大きな看板に横書きでギルドハウスと書かれた建物を見つけました。ここがフォルンのギルドのようです。

 この街には錬金術師がいるようですし、不安は特に有りません。正直に言えば、全くと言うわけではありません。


 私は、入り口の横にあった簡易の無人馬置き場にコレットを預けてから、扉を開けました。ギギィと木が擦る音がなりました。思いの外少し古かったのかも知れません。カランカランと鳴るベルの音を聞きながら中に入りました。すると、ギルドはかなり賑わっていました。(なにかイベントでもやっているのかな?)

  そんな事を考えながら、私は賑わう人混みを避けてカウンターに行き、窓越しに座っているお姉さんに聞きました。


「私は錬金術師をやっているアリアです。何か受けられる仕事や依頼はありますか?」


 私がこう聞くと、お姉さんは笑顔で「ちょっと待ってくださいね」と、依頼を確認してくれました。しばらくしてお姉さんが、「一件錬金術師の方に対しての依頼があります。お受けになられますか?」と言いました。私は「受けます!」と勢いよく答えました。錬金術師を指名とあらばなおのことです。(どうやらこの街でも私の錬金術を披露できそうです)


「受注しました。こちらのご住所の方のお依頼です。よろしくお願いします」


「はい頑張ります!」


 私はギルドを出てお姉さんに教えてもらった依頼主の自宅に向けて歩き出しました。そのついでに馬を預かってくれる旅人用の厩舎によってコレットを預けます。流石にコレットを一日中連れて回ることはできません。


「1日銀貨7枚です」


「……7枚?」


 厩舎のカウンターで、そう突きつけられて、私は慌ててお財布を確認しました。財布の中には銀貨が10枚と金貨が3枚ありました。金貨は一枚で銀貨10枚分の価値があります。しかし、一泊するのに金貨一枚入りますから、後は……お察しです。(高い……)


「……1日、お願いします」


 揉めるのは嫌なので、私は渋々銀貨7枚を差し出してコレットを預けました。彼がいなければ旅が続けられないのも事実ですから仕方ありません。

 寂しくなった財布をもう一度眺めてから、私は依頼主の家に向かうのでした。


 厩舎から30分ほど歩いたところに依頼主の家がありました。中心街からほんの少し離れた少し落ち着いた雰囲気があります。


「ここ、だよね」


 私は玄関の前に立ってからコンコンとノックし「ごめんください」と言いました。しばらくしてゆっくりと扉が開きました。


「——?」


 出迎えてくれたのは小さな女の子でした。(10歳くらいでしょうか、可愛らしいです) 女の子は小声で「どちら様ですか?」と尋ねて来ました。私は膝を折り、女の子の目線に合わせて笑顔を作りました。


「私は錬金術師のアリアです。依頼を受けて伺いました。お父さんかお母さんは……」


「錬金術師!」


 歓声のような声が私の言葉を撫で切りました。女の子が目を輝かせています。


「え、あの?」


 私は戸惑ってしまいました。まさかこんな無垢で輝いた瞳を向けられるとは思っていませんでしたから。女の子は戸惑う私の手を小さな手で掴むと、


「錬金術師さんに依頼をしたのは私なの!どうぞ入って!」


「え、あ」


 私はそのまま女の子によって家に引きずり込まれてしまいました。


「あなたが依頼主ってことでいいの?」


 部屋に置かれたソファに腰掛けた私は目の前にお茶を運んでくれる女の子に聞きました。すると女の子はお茶を木のテーブルに置くと

「うん!」と元気よく答えて私の横にちょこんと座りました。(本当に可愛げのある女の子です。つい頭を撫でたくなってしまいます)


「今お父さんかお母さんは?」


「出かけているの。今は私だけ、とっても良いタイミング!」


 見知らぬ私を家に招いていいのか少し疑問に思ったりもしましたが、彼女が依頼主であるなら私は依頼をこなします。それが錬金術師です。(別に深い意図はありません)

 私は女の子に向き直りました。すると女の子は今までになく真剣な表情で話し始めました。


「私はルカって言うの、錬金術師のお姉さんはアリアさんだったよね?」


「はい」


 私が頷くと、ルカの名乗った少女は胸に左手を当てて、こう続けます。小さな瞳を揺らしながら。


「私も、お母さんが大切にしていた写真盾を割っちゃったの……お母さんは許してくれたけど、大切なものだったから直してあげたくて。でも私には直せなくて。そんな時錬金術師の本を読んだの。錬金術師ならどんなものでも直せるって、だから……錬金術師のお姉さんに写真盾を直して欲しいの、お金はちゃんと払うから」


 絞り出すような声で少女ルカちゃんはそう言いました。彼女の依頼を聞き終えて、私は気を引き締めました。私は人を笑顔にするために錬金術師をしているのです。私は優しくルカちゃんの頭を撫でました。


「任せて。写真縦は私が直します」


 私は力強く宣言します。するとルカちゃん表情が、花が咲くように明るくなりました。


「ありがとう!錬金術師のお姉さん!……それでもう一つお願いがあるの」


「もう一つ?」


「錬金術を見せて欲しいの!」


 これは、予想外のお願いでした。錬金術師をよく思わない人も多くいて、今まで錬金術師を見ようとする人はあまりいませんでした。それに場合によっては時間もかかります。それでも、小さな女の子が錬金術に興味を持ってくれています。なら、錬金術師としての答えは一つです。


「釜はとっても熱いから、気をつけてね」


「……う、うん!」


 私たちは試行錯誤の上キッチンに向かいました。今日はこのキッチンをアトリエとします。(ルカちゃんから一応許可はとっています) 丁度良い高さだったのもありますし、写真盾の大きさ的にもこのキッキンがベストです。

 隣で興味津々に見つめるルカちゃんの前で私は練金釜を取り出しました。「わぁ!」と小さな歓声が湧きます。私は次いで自慢げに輝く砂と調合用ステッキを取り出しました。これで大体の準備は完了。


「ルカちゃん。写真縦を借りてもいい?」


「はい、どうぞ」


「ありがとう」


 布に包まれた写真縦を受け取りました。粉々に砕けた訳ではなく、大きく割れたような感じです。


「よし」


 私はもう一度気合を入れると、割れた写真縦を釜の中に入れました、それからその上に輝く砂、練金砂を入れました。最後に透明な水を入れてから、小さく言葉を唱えます。

 釜の下からぼうっと小さな炎が練金砂の溶けた水の温度をあげて泡立ちます。星が輝いているかのように

 水が淡く煌めいて調合の土台が完成します。そしてここからが錬金術師の腕の見せ所です。

 私はゆっくりと釜をかき混ぜてはじめ、そして、予め用意していた、金属を釜の中に入れます。

  ここで練金砂の本領発揮です。熱湯の中、特別性の金属が輝く水の中でゆっくりと溶け出します。それをゆっくりとかけ混ぜていき写真盾と融合させていきます。力加減を調節しながら、ゆっくりと混ぜます。すると、破片が少しずつ絡み合い一つになり始めました。形状が写真縦へと変化していきます。砂の溶けた水が特別性の金属に反応して形になります。

  最後の仕上げで、私は錬金術で作った液体を入れ、再びゆっくりと混ぜます。


「すごい……」


 小さく呟いたルカちゃんの声が聞こえました、私は汗で濡れた額を脱ぐってから、向き直りました。


「もう、出来るよ」


 私は自信を持って答えました。調合釜を混ぜて、そして、こちらも錬金術で作った強力な冷却剤を入れて水の温度を下げます。そして一言言葉をかけました。



「わぁぁ!」


「はい、完成だよ」


 そこには傷や割れ目一つない白銀の写真縦がありました。完璧に修復されています。私は目を輝かせるルカちゃんに、そっと写真縦を手渡しました。(少しドヤ顔だったのは気にしないでください)


「これで、大丈夫かな?」


 私が尋ねると、錬金術によって復元された写真縦をルカちゃんはまじまじと見つめてから。


「……うん、ありがとう、アリアお姉さん!」


「!?」


 私の目の前には、太陽の輝きよりも眩しい笑顔がありました。10年前、初めてヴェラ先生に錬金術を見せてもらったあの時の私と同じように。新しい世界を知った無邪気な子供が大人を目指そうとしたように。


「——」


 どこか不思議で暖かな気持ちになりました。


(——ヴェラ先生もきっとこんな気持ちだったんですね)


 写真縦を抱きしめるルカちゃんを見て、私はあの日の私を思い出しました。


『錬金術は誰かを笑顔にできる魔法なの』


  私の心に刻まれた、先生の言葉。


(ヴェラ先生のような錬金術師に私は近づけていますか?)


 ここにはいないヴェラ先生の姿がほんの一瞬だけ見えたような気がしました。


「……あの」


 そんなことを考えているとルカちゃんが少し気まずそうに私を見ていました。もしかして顔に出ていたでしょうか。少し恥ずかしいです。それとも、


「もしかして、直ってなかった?」


 私はそう聞くと、ルカちゃんは首を横に振り恐る恐る言葉を紡いでくれました。


「ううん、違うの、写真縦は綺麗に直ってるの、だからそのいくらなのかなって……」


「あ」


 そうでした、私は旅の錬金術師、依頼を受ければお金を貰わなくていけません。そうでなくては私は死んでしまいます。でもこんな小さな子からお金を取るわけにも行きません。


「……うーん」


 どうしようかと悩んでいた時でした。


「ただいまー」


 玄関の方で声がしました。するとその声に反応するかのように「お母さん!」とルカちゃんが駆け出していました。どうやらルカちゃんのお母様のようです。

 お金はお母様に相談を……

 ここで私は思い出しました。側から見れば見知らぬ錬金術師が勝手に家に上がり込んでいる。そう捉えられてもおかしくないことに。


「……あれ?」


 そう考えた瞬間、冷や汗が全身から溢れだし、ガタガタと足が震えて来ました。もしも不法侵入なんかで突き出されたりしたら……


「……どう、しよ」


 しかし、そんな危惧は杞憂に終わるのでした。



「アリアさん、娘から聞きました。写真盾を直していただいて本当にありがとうございました」


 深々と頭を下げるルカちゃんのお母様に慌て首を振り答えます。


「い、いえこれが私の仕事ですから!頭を上げて下さい!……それより勝手に家に上がってしまってすいません」


 今度は私が頭を下げます。すると今度は同じようにルカちゃんのお母様が慌てたように言いました。


「アリアさんこそ頭を上げて下さい。この子が写真縦を割ってしまってから落ち込んでいたのは知っていました。錬金術師の方に依頼を出したことも」


「ご存知だったのですね」


「はい、フォルンではあまり錬金術師に対しての風当たりは強くありません。錬金術師をされている方もおられます。それでも少しだけ心配でした。……いえ、大変失礼なことを言っていますね。忘れてください」


「……いえ、それが錬金術師の印象なのも事実ですから」


 この大陸での錬金術師の印象は決していいものでありません。かつて大陸全土を巻き込む戦争の引き金となったことは事実ですから。


「でも、アリアお姉さんは優しい錬金術師だよ?写真縦を直してくれたもん」


「……ルカちゃん」


 ルカちゃんの無垢で素直な言葉が私の胸の中にストレートに飛び込んできます。


「ええ、依頼を受けてくれた錬金術師がアリアさんで本当によかった」


 ルカちゃんに続けてルカちゃんのお母様もそう言ってくれました。それからルカちゃんのお母様が紐に縛られた袋を取り出しました。


「受け取ってください。御代とお礼です」


 袋の中には金貨が10枚と銀貨30枚が入っていました。私は思わずビックリしました。


「こ、こんなに受け取れません」


「受け取ってください。あなたはきっと旅の錬金術師なのでしょう。これを役立て下さい。……私自身も少しだけ落ち込んでいました。わざとではないとはいえ大切にして来た家族との写真盾なのですから、だからせめてこのくらいはさせてください」


「私からもお願い。アリアお姉さん」


  これ以上断れば逆に失礼かもしれません。(お金に困っているのは…….その、事実ですし)


「……わかりました。ありがたくお受け取りします、錬金術師としてこれからも励みます」



「本当にありがとうございました。もっとゆっくりされていってもよろしかったのに」


「いえ、こんなにたくさん頂いたのにその上長居などできません」


「アリアお姉さん、もう……行っちゃうの?」


 ルカちゃんの小さな声音が聞こえてきます。私は最初会った時のように膝を折って、ルカちゃんに目線を合わせます。


「またどこかで会おうねルカちゃん。その時には、私はもっと立派な錬金術師になってるから」


 私はそう言ってルカちゃんの頭を優しく撫でました。(少しかっこつけていますが、今はかっこつけるところなのでいいでしょう)


「なら私は……錬金術師になる!」


「え?」


「ルカ!?」


 思わぬ返答に驚くも、ルカちゃんの私を見る眼差しは真剣そのものでした。そして、彼女は真剣な眼差しのままこう言いました。


「私、いっぱい勉強するから!だから、次に会った時には、私を弟子にして下さい!」


「!?」


『私を弟子にして下さい!』


 あの時、ヴェラ先生の錬金術を見て、そう言った私の姿が重なったて見えました。希望に満ち溢れ、同じ世界に行きたいとそう願ったあの日の私と。


(……きっとこうすべきだよね、ヴェラ先生)


 私は一冊の本を取り出しました。何度も読んでボロボロになった錬金術の本。あの日ヴェラ先生にもらった大切な本。私の原点となったそれを私はルカちゃんに優しく手渡しました。


「もらってもいいの?」


「うん。この本を読んで頑張ってね。きっとルカちゃんもできるようになるから、もし次に会った時にこの本をマスターしていたら、ルカちゃんを弟子にするね、約束」


「……! うん!約束!」


 私の小指と、まだ小さなルカちゃんの小指が絡み合います。忘れられない約束ができました。


「もう、こうなったら止められないわね」


 そう、呟くお母さんの声が聞こえてきます。でもその声は決して否定的なものではありません。私はそっと立ち上がりました。


「じゃーね、アリアお姉さん!」


「うん、またね」


 小さな手を懸命に振ってくれます。もう片方の手に、まだ少し大きい錬金術の本を抱えてながら。私もルカちゃんに小さく手を振って、それから歩き出しました。


 日が傾きかけた黄昏の空に誓った約束を果たす日が来るのは、まだ先の話です。

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