俺、私は偽彼氏(ニセカレ)偽彼女(ニセカノ)です

俺、私は偽彼氏(ニセカレ)偽彼女(ニセカノ)です

作者 山形 さい

https://kakuyomu.jp/works/16816700426335433596/episodes/16816700426379569881


 異性が苦手なモデル並みの学年一美少年・楠木春と美少女・白橋千鶴は異性嫌いを克服すべく偽彼氏彼女をしている物語。


 作品内容がわかるタイトルが付けられている。なぜ偽彼氏彼女を演じなければならないのかは読めばわかる、というわけだ。

 描写が少なく、セリフで説明している。三人称で漫画のネームのような文体。なので、漫画を書ける人は読みやすいかもしれない。

 北三原高等学校にはモデル並みの学年一の美少年、楠木春と美少女の白橋千鶴がいる。具体的な描写はない。モデル並みの美少年美少女という象徴的記号で書かれている。そんな二人には「一つ秘密」があるという。

 二人なのに一つ、ということは、同じ秘密をもっている。あるいは、秘密を共有しているということ。

 冒頭三行を読んでからタイトルを見ると、「偽」彼氏彼女が秘密なのかしらんと期待して読者は読み進めていく。


 モデル並みの見た目からか二人は、校内の生徒たちから注目され、一緒に勉強やデート、付き合ってと声をかけられる。これが毎日続いたため、二人は異性が苦手になったようだ。

 楠木春は外見と内面のスペックにより、全校女子生徒の三分の一ぐらいからモテている。だけど彼は、一度にあれやこれやと違う話題を話しかけられるし、袖は引っ張られるし、ドキドキするから女子は苦手だった。

 内面スペックが高い彼がドキドキしているのは、あがり症だからかもしれない。とくに異性相手に感じるのなら、過去に異性と話したときに笑われたとか失敗したとか嫌な経験をしたため、異性を前にすると危険と感じてドキドキしてしまうのだろう。

 白橋千鶴は群がる男子の中に勝手にスマホで撮影され、苦手をとおりこして恐怖すら感じはじめていた。

 そこで二人は、毎日のように告白しようと群がる異性をなんとかすべく、偽物の恋人となり、徐々に克服していくことを誓いあう。

 

 異性慣れをしようと二人で話すシーンで、「そんなことないよ!! だって、楠木くんイケメンだもん!!」と堂々という千鶴は、内面では恥ずかしがって(偽物の恋人でも、『イケメン』とか言っちゃった!!)と戸惑っている。

 同様に楠木も「そんなことない。白橋さんの方こそ、宇宙一可愛い!!」と堂々といいつつ内面では死にたいほど恥ずかしく、(勢い余って『宇宙一』とかつけちまったよ!!)と慌てふためいている。

 それでいて二人とも、いわれても動じない態度をみせている。

 楠木があがり症になったのは、好きだった綺麗な女の子を誉めることに失敗した経験からなのではないかしらんと推測した。

 また、白橋は異性に対して苦手以上に怖がりだしているにもかかわらず、楠木とは話せている。なので、イケメンの異性なら彼女は大丈夫なのかもしれない。

 この先、楠木とはちがう別のイケメン異性が現れて恋のバトルが起きたとき、内面スペックも高い楠木がやっぱり好きという展開が待ち受けているのかしらん。


 

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