第5話 現状報告と事件解決の報告なのだわ

 もう!あれから大変だったのよ。ハンフレイパパに懐いてしまったルーカスが、何かあればうちに来たがるようになってしまったの。

 そのうえ、私の誕生日パーティーにも行きたい!となって、ルーカスを招待することにしたのだけれども。そうなると、勘繰る者も出てくるから、エドワードとアンドリューも招待することになったのよ。私の1才の誕生日パーティーが、こんな大事になるとは思わなかったみたいだわ・・・何故かって、この世界では基本、誕生日パーティーには身内のみを呼ぶらしくて、5才・10才・15才・20才など節目の時や成人する18才などの誕生日の時だけ、お世話になっている人たちも呼んで、盛大にするみたいなのよ。だから、大変だったのよ・・・もちろん、両親と使用人がよ。

 本当に、うちに来るのも、私の誕生日パーティーに来るのも、どちらも王様と王妃様が許可するなんて思わなかったわ・・・襲撃があった後よ?お二人が何を考えているのか、本当に分からないわ。

 あ、エドワードね。エドワードは、偶に来るわよ。アンドリューと一緒にね。彼は、エドワードに便乗という形ね。ま、ルーカスの5回に1回くらいだから、可愛いものよ・・・。

 しーかーし!両方とも護衛を沢山引き連れて来るのよ!鬱陶しいわ!!一緒に来るのに、ルーカスの護衛プラス、エドワードの護衛が増えるから大変なのよ。もちろん、両親と使用人たちがよ・・・うちに来た時に襲われたのに、公爵家も何故許可を出すのかしら?王様と王妃様もだけど。

 なんかね、一般的な小さい子って大人の都合関係なく、グイグイ来るじゃない?でも、ルーカスは、ハンフレイパパの仕事や社交とかの時とか邪魔はしないのよね。時間が空く時にだけ構ってもらうのよ。小さいのに空気を読むのよね、みんな・・・。

 う~!ルーカスとカーティスがハンフレイパパの仕事が終わるのを大人しく待っているのよ?その姿って、犬の待てをしている時にそっくりなのよ!・・・最高すぎるわ!!

 ・・・あ、それでなんだけども、ルーカスが頻繁に来るようになって、カーティスがハンフレイパパにべったりになってしまったのよ。彼に競うかのようにね・・・ま、でも、良い刺激でもあるのよ。ルーカスとエドワードに、カーティスもハンフレイパパの邪魔はしないよう教わっていたわ。上位貴族って、そういうところも、しっかりしているのね。

 でも、寂しいわ。私を構ってくれる時間は、ごく僅かになってしまったんですもの!人ってアレよね、矛盾なことを思ってしまうのよね・・・構ってくる時は止めてよ!って思うのだけど、構ってくれないと少し構ってよ!って・・・。

 あっエドワードは基本、黙ってハンフレイパパの仕事ぶりを見ているわ。ルーカス程ではないけど、襲撃の事件でハンフレイパパに興味を持ったみたいなの。ルーカスとカーティスの攻防戦が繰り広げられている時は、私の所に来て妹のジュリアンナのことについて嬉しそうに喋っているから、彼らのようにべったりということはないわね。

 でも、良くなったのよ。公爵夫人の話だと、妹に対して良く思っていなかったみたいだったし、最初は私ところに来てジュリアンナのことをあーだこーだって文句を言ってたの。でも今は、変わったわ・・・。

それもこれも、カーティスのお陰なのよ。私のことを楽しそうに嬉しそうに話すし、更にジュリアンナのここが嫌だと言うエドワードの言葉に、アリアルーナはそんなところもかわいいよと返すから、彼はジュリアンナを観察するようになって、それで変わったみたいなのよ。今では、嫌だと思っていたところが実は可愛くて、だから何をしても可愛いのだと、カーティスと私に報告してくるのよ・・・大丈夫かしら?ジュリアンナが某元子爵令嬢みたいに、我が儘で勘違い女になってしまったら・・・これはヤバイわ!!ジュリアンナに会えるようになったら、そっちの方に行っていないか、確認しないとならないわ!

 ・・・後、エドワードと一緒に来るアンドリューは、ずっと剣の稽古よ。ハンフレイパパを始め、ルーカスの護衛やエドワードの護衛に、うちの護衛までも色んな人に稽古をつけてもらっているわ。脳筋になる心配があるけど、まっ、1番、無害ね。

後の時間は、4人で剣の稽古をつけてもらっているわ。ハンフレイパパのようになりたいみたいなの。実際に戦っているところを見ていないのに、想像が膨らみすぎなのかしら?

 あっ馬車襲撃のことよね。その時は、助けることが出来て良かった!って思ったわ。それに魔法って便利だわって思って興奮したけど、問題はその事後よね。私の魔法で助けたことが、バレないことを願ったわ。

 あの時、侯爵家の護衛たちは全く気付かなかったみたいなの。後日、お詫びに来たわ。王様や公爵家にもお詫びに行ったみたい・・・。

 それは良いのよそれは。賊たちがかけていた遮断の魔法は重ねがけしたうえ、その中を魔法が使えないように魔法の無効化もしていたみたいで、魔法に長けている人でも気付くのは難しいみたいだったのよ。それじゃ、侯爵家の護衛が気付かなくても仕方ないわよね。でも、その遮断魔法の重ねがけを無効化して、魔法無効化のところで魔法が使えるなんて、私って流石じゃないかしら!・・・ま、賊がかけた魔法に気付いたわけではなかったのだけれどもね。

 あ、その問題の事後よね。私、自白の魔法をかけたでしょ?だから、あっという間に解決しちゃったのよ。そう、呆気なくね・・・。


 唐突だけど、この国の派閥について説明するわ。この国には3つの公爵家があるのだけど、その公爵家を中心に3つ、どれにも属さない中立1つと、4つの派閥に別れているらしいの。その1つ、ベネディクト公爵家が率いる派閥が今1番勢力があるの。王妃様の実家が、ベネディクト公爵家の分家である侯爵家で、だから王妃様とルーカスはベネディクト公爵家の派閥みたいなの。フォーサイス伯爵家は、ベネディクト公爵家の派閥よ。昔、お世話になったらしいわ。

 で、今回の襲撃はベネディクト公爵家と対立している公爵家の1つが、ベネディクト公爵を陥れようとして起こしたことだったの。ルーカスと一緒のところを襲い、そこに颯爽と現れ助けてルーカスに恩を売り、そのうえベネディクト公爵を失脚させるという一石二鳥を目論んでいたみたいなのよ。後、ベネディクト公爵夫人を殺害する計画も組み込んでいたの・・・公爵夫人の実家が、ベネディクト公爵家の派閥に入っていて、王妃様の実家とは別の結構な影響力がある侯爵家みたいなのよ。もし、公爵家の失態で公爵夫人が亡くなったとしたら、公爵夫人の実家の侯爵家もベネディクト公爵家の派閥から離れるのではないかと考えたらしいの。頭悪いわよね、普通に考えたら、犯人を吊し上げるのに団結するわよね!・・・あっ私だったらよ。

 そんなこんなで事件を起こした、その公爵家は取り潰しよ。主犯の公爵は処刑で、他の家族は全員平民落ち。本当は、その公爵家を再建させようとしたらしいけど、あんな事件を起こした所に、養子に来て後を継ぐっていう人もいなかったみたいなの。だから、取り潰しになっちゃったみたいだわ。

 失脚させようとして自分が失脚するなんて、軽率で愚かよね。他人を陥れることを考えるのに頭を使うのなら、自分の家や領地が良くなるように使った方が自分のためになるし、他人の評価も良くなると思うのだけど・・・。

 欲って、自分を見失わせるのね。何故かしら?

更に問題があって、フォーサイス家が伯爵から侯爵にと陞爵の打診があったみたいなのよ~。ハンフレイパパが頭を抱えていたわ。どうするのかしら?王子様を助けただけで、陞爵なんて変よね・・・他に何かあるのかしら?

ま、家のことは両親に任せちゃった方が良いわよね。

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