第14話 自称、発祥の地へ

 サクヤは荷物をまとめながら、旅先で知り合ったドイツの友人にメールを出してみた。

 しばらくして届いたメールを読んで、サクヤは目をおおきく見開いた。ドイツではバウムクーヘンはポピュラーではないことに驚き、「そんな菓子があることをいま知った」と返事がきてさらにびっくり。

 インターネットで調べながら、困難な旅になる気配を感じずにはいられなかった。

 なぜなら、元祖や本家を名乗る店が各地に存在しているからだ。しかも妙に固かったりパサパサしていたり、甘すぎて日本人を満足させてはくれない味もあるらしい。

 在留邦人の間では、「激安有名スーパーの自社ブランド商品が一番口にあう」との評判がある。

 おいしい本物のバウムクーヘンはどこにあるのだろう。

 ネット検索を進めていくうちに、ついにバウムクーヘン発祥の地を自称する街をみつけた。


 ドイツ北部、ザクセン・アンハルト州ザルツウェーデルである。


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